新宿二丁目と歩む。akta設立20周年記念展が3/31まで開催中!

新宿二丁目にあるフリースペース&HIV/エイズの情報を提供するコミュニティセンターaktaの団体設立20周年を記念した展示会「GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展」が、3月31日(日)まで開催されている。

2002年に非営利団体Rainbow Ringとして活動が始まり、「街の中にセーファーセックスを応援する雰囲気を作り出す」プロジェクトなどを展開。その翌年6月にセンターが開館した。

今回の展示では、これまでの20年間の軌跡を振り返りつつ、これからの歩みに向けたメッセージがたくさん詰まった内容となっている。

展示は参加型のユニークな仕様。
aktaとの関わりのみならず、新宿二丁目やLGBTQ+コミュニティ、HIV/エイズに関する個人的な出来事などを旗や付箋に書き込め、4つの階層に分かれて20年間の歩みを辿っていく。

可愛らしい下着が並ぶHIVとともに生きるブロックは、HIVに関するできごと、社会の変化、ターニングポイントとなった話題などを。年代ごとにaktaのできごとを振り返るブロックは、aktaとのつながりや来館のキッカケ、思い出など。イラストレーター・otokonokotoの可愛い立体パネルや過去に制作してきた資材が並ぶカウンターは、二丁目との思い出やLGBTQ+関連の出来事などをフラッグ立てできるブロックで、さらにaktaに関わるスタッフや陽性者がコミュニティに対して思っている「生の声」も伝えてくれる。

来場者を楽しませる仕掛けも盛りだくさん。
ジャラジャラキーホルダーだらけの男の子や、デリバリーボーイズの揺れるクラフト、二丁目祭りを彷彿とさせる神輿ならぬコンドーム担ぎ、毎月開催されているカフェイベントakta cafeをイメージしたくるくる回るコーヒーカップなど、思わずクスッとさせてくれるアイデアが満載(ちょっぴりセクシーなアイテムたちにも注目♥♥♥)。

このように「aktaのこれまで」は、賑やかな展示が来場者を楽しませながら、各時代ごとにおける活動の記録を教えてくれる。そして、「aktaのこれから」については、センター長を務める木南(踊り子)さんがその想いを語ってくれた。

ーーこれからのaktaが目指すもの。
国際的な動向(国連合同エイズ計画)としては、2030年までにHIVの流行を終結させる目標があり、そこに向けた対策が今推進されています。そのためには、「3つのゼロ」(差別・偏見のゼロ/新規HIV感染のゼロ/エイズ関連死のゼロ)戦略が追求されており、それが達成できた場合には、公衆衛生上のHIVの流行を終わらせることができるとされています。ただ日本では、医療によってエイズ関連死のゼロはすでにかなり達成されています。だからaktaでは検査が遅れてのエイズ発症のゼロを3つ目に掲げています。

また現在では、PrEP(HIV予防薬)やU=U(効果的な抗HIV治療を続けている人からはHIVは感染しないエビデンス)などのおかげもあり、HIVの持つ恐怖は和らいでいます。しかし、HIV/エイズに対する差別や偏見がなくなることはないでしょう。そこを同時にアプローチしていかないと無意味で、本当の意味での終結にはならないと思っています。

aktaでは、そういう根本の部分(誤解の解消と正しい情報の提供)を軸に適切な予防・検査・治療の推進をしていきたいと思っています。また、今まではMSM(男性とセックスをする男性)に向けた啓発を中心に行なってきましたが、今後は多様な社会・多様な性の健康問題として捉え、より多くの方々に健康を考えてもらうメッセージの拡散と輪が広がっていってほしいと思っています。

■akta設立20周年記念展/GO 20’ Next!〜aktaのこれまで、これから展
所在地|東京都新宿区新宿2-15-13 第二中江ビル301
開館日|15:00〜21:00(木〜日曜日/年末年始除く)
期 間|2024年3月31日(日)まで
http://akta.jp

新宿二丁目にあるコミュニティセンターaktaは、木曜日〜日曜日の15:00〜21:00にオープンしている、どなたでも無料で立ち寄れるフリースペース&HIV/エイズの情報センターです。LGBTQ+などのことを知る漫画や雑誌、HIV陽性者などの手記集などが読むことができます。ゲイバーマップやコンドーム、性感染症の情報も手に入れることができます。

撮影/新井雄大
記事制作/newTOKYO