
部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!
さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。
第19回目は“gooch”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!
ーー新生活のスタートに合わせてお引越ししたツバサ。ただ、新居は訳アリ物件らしく…。
あらまぁ〜素敵な物件じゃない! 人気のゲイバーママともなると、こんな素敵なお部屋に住めんのねぇ〜。
ニュー子さんだってこんくらいの部屋に住んでるくせにぃ〜。イジワル言わないでっ。
あ、そういえば、ツバサ。ここのどこが訳アリ物件なんだよ。広いし、日当たりも悪くないし言うことないじゃん。
あぁ〜…そうね。見てもらった方が早いわ。ちょうど、いつもの時間だから、そっと外を覗いてみてくれる?
ちょ、ちょっと…なんなのあれ! これは今月のゲイ会話の例文に使わせてもらうわ!

【今月の一生に一度も使わない例文】
Residents of the building next door are required to do gooch sunning.
これって、一時期海外で流行ってた日光浴か? この光景をまさか目の前で見ることになるとは…。
そ、そ、そうよ! あの会陰日光浴ってやつよ! あ、goochは会陰という陰嚢と肛門の間にある筋のことを指しているの。全体の意味としては「隣のマンションでは会陰日光浴が義務付けられています」となるわ。
訳アリ物件って悪いことばかりじゃないのね〜! おかげで昼前には起きる習慣がついたわ。
ちなみに…会陰日光浴は医学的には良くないとも言われてるみたいだから、自己責任よ!

■プロフィール
ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。
ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。
ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。
イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
編集/芳賀たかし