わたしの推し面、夏。ドリアン・ロロブリジーダの30minutesプレイリスト/三十分で叶える真夏のドライブ

2021年も外出自粛が要請されてからはや半年。誰かと誰かを繋ぐきっかけになる“音楽”を皆で共有する場が極端に減り、体を揺らし、心踊らせる瞬間が久しくない中、newTOKYOが音楽を通して誰かを繋ぐ場でありたい。
そんな気持ちから、毎回異なるゲストに紹介してもらう音楽連載がスタート♡

今回、A面、B面ならぬ”推し面”プレイリスト『三十分で叶える真夏のドライブ』を作成してくれたのは、ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさん。

推し面プレイリスト
#03「三十分で叶える真夏のドライブ」/ドリアンロロブリジーダ

① 長く短い祭り(2015)/椎名林檎/0:00~4:09
② 真夏の出来事(1971)/平山三紀/4:10~8:34
③ 気まぐれヴィーナス(1977)/桜田淳子/8:35~11:30
④ 夏のヒロイン(1982)/河合奈保子/11:31~15:34
⑤ アトムの子(1992)/山下達郎/15:35~20:01
⑥ Hello,my friend(1994)/松任谷由実/20:02~24:36
⑦ 若者のすべて(2007)/フジファブリック/24:37~29:33

アタシにとって夏、音楽、の次に来る言葉と言われたら、ベッタベタかもしれないけど、やっぱりドライブなんだよねぇ。あ、先に言っておくけれど、恋人を隣に座らせて…とかそういうんじゃなくて、気のおけない友人たちと過ごす道中を彩る曲を選ばさせていただいたので、悪しからず。行き先はそうねぇ…海でも、山でも、どこでも。ささ、とりあえず皆さん乗って乗って。夏の車内は暑いからエアコンを強めに効かして、非日常へと誘う椎名林檎の「長く短い祭り」が聞こえたら、出発の合図。

インターチェンジの通過とともに、旅の予感を感じさせる「真夏の出来事」がかかれば、なんだかワクワクしちゃう。筒美京平作曲としても知られるこの楽曲は軽快なベースラインと平山三紀の乾いた声が特徴的で、フロントガラス越しの抜けるような一直線の景色ともリンクして、たまらないのよ。その勢いのまま、桜田淳子の「気まぐれヴィーナス」へ。可愛らしいアップテンポの楽曲とは対照的に余裕たっぷりな大人の女性を謳った歌詞が魅力的だけど、「プピルッピプップピルッア♡」を車中にいるみんなでただただ叫びたいがための選曲。

車内が童心へと帰ったような雰囲気に包まれたら「夏のヒロイン」は鉄板ね。80年代の夏のアイドル歌謡ってたっくさんあるけれど、「私がヒロインよ!みんなもヒロインになれるわ!」と聴いてる人をここまで能天気にさせちゃう曲はなかなかないと思う(笑)。夏って根拠のないポジティブシンキングで過ごすぐらいが、ちょうどいいものじゃない?

道中の盛り上がりも一転、目的地に着いたら「アトムの子」を聴いて横たわる、なんて過ごし方が理想的だったりする。数年前、ドラァグクイーンのお仕事で訪れた鹿児島のフェスで初めて聴いたんだけど、オーディエンスが心地良さそうに体を揺らしている情景や、社会的立場やしがらみを抜け出して子どものままでいたいっていう歌詞の世界観が印象的で、この曲はアタシの中で夏の曲というイメージが強いの。

そして目的地での楽しい時間を終えた帰り道。行きの騒がしい道中とは打って変わり、はしゃぎ疲れたせいか皆がもの静かに窓の外を眺めるセンチメンタルな車内。夏のドライブって、ハレとケのコントラストをはっきりと感じられる、この瞬間が一番好きだったりするの。ひとりでに流れているのは、“夏の終わり”を感じさせる「Hello,my friend」。ユーミンの優しい声を聴いていると、なぜか泣きそうな気持ちになってくるのよ。アタシが“生き急”いでいるからかしら…。誰かそっとたしなめて!(笑)

夕陽が完全に沈めば、「若者のすべて」が聴きたくなる。たとえ車がどこを走っていようと、この曲が流れると頭の中にパッと花火が打ち上がるから不思議よね。こうして楽しかった思い出とともに、祭の後の寂しさ、切なさみたいなものも背中に帯びながら家路に着くの。最高のドライブじゃない?

ーーさて、アタシの夏のドライブ定番曲から厳選してお届けしたプレイリスト、いかがだったかしら? 今回は30分という時間内に収める形でポイントポイントでの紹介になってしまったけれど、アナタの好きな曲と今回のプレイリストを組み合わせて、ご紹介した曲がベストタイミングで流れるよう新たにプレイリストを作るのも面白いかもしれないわよ。アタシはまず、ペーパードライバー講習を受けなくちゃ…。

●テキスト/ドリアン・ロロブリジーダ
Twitter@masaki_durian
●イラスト/津久見 Twitter@tsukumiiii
記事制作/newTOKYO