1999年にシアトルに誕生して以来、そのカジュアルさと遊び心、エッジを効かせた空間、さらにカルチャーを発信する場所として、ホテルを次のステージへとアップデートさせ、これまで北米やヨーロッパ9都市で展開してきた『エースホテル』。
長らく日本での展開も待たれていたが、昨年、満を持してアジア初進出の場として誕生したのは京都。
それまであった歴史的建造物をリノベーションした複合施設[新風館]のリニューアルと共に、エースホテル京都は、隈研吾デザイン監修の元、京都らしい和と、エースらしいエッジとポップの絶妙な塩梅の施した空間となっている。
まもなく開業一年を迎えるが、コロナ禍にも関わらず、すでにさまざまな人が集まるコミュニティスポットとして認知されてきている。
画像左から/ファッション・デザイナーのトモ・コイズミ氏、トランスジェンダーモデルのKEISHAN氏、メイクアップアーティストの佐伯裕介氏
そんなエースホテル京都で、3月31日、「国際トランスジェンダー認知の日」に合わせたチャリティプロジェクトがスタートし、それに先立って、現在、日本のみならず世界で最も評価される若手ファッション・デザイナーのトモ・コイズミ氏とトランスジェンダーモデルのKEISHAN氏が、ホテル内でメッセージ映像を製作、発信された。
【メッセージ動画はこちら】
Tomo Koizumi × Keishan for Trans Visibility Day
Instagram@acehotelkyoto
10代の頃に経験した自身のジェンダーという「イチ個性」が対象となった辛い体験や悩みごとなどを、同世代や次世代のLGBTQの子どもたちが生きやすくなるように、そしてメディアが創り上げた“トランスジェンダーやオネェ=面白くなきゃいけない”というイメージを変えるために活動しているKEISHAN氏と、その考え、思いに賛同したトモ・コイズミ氏が用意したドレス、さらにメイクアップアーティストの佐伯裕介氏とのコラボプロジェクトで、エースホテル京都自体をランウェイとして使ったパフォーマンスはまさに“多様性”を感じさせるもの。
そして館内2のレストランでは、5月末までトランスジェンダーを含むLGBTQの方々を応援する気持ちを込めて、ゲイが熱狂した海外ドラマシリーズ「SEX AND THE CITY」の中で主人公キャリーが愛飲し、すっかりお馴染みとなったカクテル、コスモポリタンをベースに、今回のプロジェクトからイメージしたエースホテル京都オリジナルカクテル『Pink and Blues』を販売することに。
Pink and Blues 1300円(税サ込)/PIOPIKO(2F) Mr. Maurice’s Italian(3F)にて提供
「国際トランスジェンダー認知の日」を祝ってクラフトジンに、今の季節を代表する“桜”、そして多様性の植物“カカオ”を使ったカクテルで、「甘酸っぱいけれど、その後にクッとくる強み、トランスジェンダーのプライドカラー(ピンクとブルー)をイメージした、見た目は柔らかいけれど芯がある感じ」と、試飲したKEISHAN氏は語る。
なお、このカクテルの売り上げの一部は日本で、より多くの人が声を上げられる社会・環境を作り、ジェンダーの平等を座すために活動している一般社団法人『Voice Up Japan』に寄付されるとのこと。
コロナ禍においては、まだまだ行動が制限され、密を避けるライフスタイルを求められているけれど、そのまま、ありのままでいい、そして自分らしさを紡げる場所を提供している『エースホテル京都』で集い、オリジナルカクテルを味わいながら、マイノリティの存在を考えるこのプロジェクトを楽しんでほしい。
■ ACE HOTEL 京都
https://www.acehotel.com/kyoto/
■ モデル/KEISHAN
Instagram@keishijpn
■ ファッション・デザイナー/トモ・コイズミ
http://www.tomo-koizumi.com/
Instagram@tomo_koizumi
文/仲谷暢之(アラスカ社)
PHOTO&VIDEO ©Mikoto Yamagami
記事制作/newTOKYO