恋愛観、カミングアウト問題、人間関係…ゲイカップルの週末のゆきずりの恋を描いた、アンドリュー・ヘイ監督の伝説のラブストーリー「WEEKEND ウィークエンド」がついに本日より劇場公開!
出会いを求めて繰り出したバーで出会ったイケメンをお持ち帰り。これが本気の恋へと発展するのか、それとも一夜限りのアバンチュールで終わるのかわからないけど、いまはこの欲望に溺れてしまいたい。それも、叶うならば「一生忘れられない恋」になってほしい。
誰でもそんな経験のひとつやふたつ、ありますよね。
それが最近じゃ、SNSでイケメンの自撮り画像にとりあえずのいいねをぽちって満足しちゃってるそこのあなた。義務のようにアプリのマッチング機能を毎日義務のように覗いてるだけのあなた。
恋を忘れた自分に謝りなさい、そしてこの映画を観るのです。
ーふたりの駆け引きから学ぶ素敵な恋
この映画で唯一、リアリティがない部分を指摘するなら「ライフガード」×「アーティスト」のイケメン2人が出会うという設定。
でも、対照的な価値観を持つふたりが恋に落ちるからこそ見えてくる現実的な問題はゲイにとって共感できるものばかり。
ライフガードのラッセルは運命の愛を探しているクローゼットゲイ。一般社会での顔と切り離している分、ゲイ活動は積極的。
一方、自称アーティストのグレンは過去の経験から特定の相手を作らない主義のカミングアウトゲイ。ゲイを利用して社会となじんでいる皮肉屋。
ある週末の夜、クラブでラッセルが一夜の相手を探してグレンをゲットすることから物語は始まります。嬉し恥ずかしの一夜の関係を結んだ後、シャイなラッセルがぽつぽつと自分のことを語り始め、価値観の異なるふたりの関係が密接になっていきます。
昔から男と女の価値観の違いを比較したオシャレな会話が繰り広げられる恋愛映画はたくさんあって、物語の展開や構成はさほど目新しいわけではないんだけど、そのシチュエーションをゲイ同士の関係に置き換えたところが面白い。
ーさらっと語られるけれどリアルなゲイの悩みと問題
これまで異なる経験をして生きてきたふたりの価値観は、違うからこそ互いに学べる部分と足りない部分があって、偶然にもたった2日間だけ、パズルのピースのようにぴたりと組み合います。
恋愛観、カミングアウト問題、人間関係、そして自分だけでは見えてこなかった自分の人生の欠点。
なかなか重い話題も出てきますが、あくまでもウィットに富んだピロートークの延長線上で語られるので、観るものそれぞれに「自分だったら」と考えさせられる余白があって、さらにラッセルとグレンの建前と本音が入り混じった会話だからこそ、印象に残るシーンがたくさんあります。
さぁ、リアルな恋をしたいけど…億劫になってスマホの画面ばかりみてるあなた!家のドアを開けましょう、そして新しい出会いに向かって歩くべきなのです。その第一歩はまず劇場!この映画を観れば、きっとリアルな恋をしたくなります。
そうそう、思ったより濡れ場はリアルでハード♡
アンドリュー・ヘイ監督SPメッセージはこちら♡
映画:WEEKEND ウィークエンド
2019年9月27日(金)YEBISU GARDEN CINEMAにてロードショー
ストーリー/金曜の夜、友人たちとのパーティのあと、ラッセルは一夜の相手を求めてクラブに立ち寄る。閉店時間近くに目を付けていたグレンを誘い出すことに成功し、彼と共に帰宅。そして、週末が始まる―。ライフガードとして働くラッセルと、アーティストを目指す皮肉屋のグレン。お互いに欠けていたピースを満たすかのように、2人きりで話をして、愛を交わす。しかし尊いひとときは束の間、土曜の夕方、ラッセルはグレンからある事実を知らされる。
監督/アンドリュー・ヘイ「さざなみ」「荒野にて」
キャスト/トム・カレン「ダウントン・アビー」、クリス・ニュー
上映時間/97分 製作国/イギリス 配給会社/ファインフィルムズ
映倫/R15
http://www.finefilms.co.jp/weekend/
©Glendale Picture Company MMXI
記事作成 / みさおはるき