つい先ほど、9monsters(以下、ナイモン)公式YouTubeチャンネル「ナイモンチャンネル」より第1話の配信がスタートしたオリジナルドラマ『あのときの僕らはまだ。』。全10話を通して主人公のハル(啓太)とトウマ(矢口しょう)の恋愛模様を、さまざまな人との出会いを交えながら丁寧に描く。
出演者やスタッフも含めて多くのゲイ当事者が携わっているプロジェクトだけに、ゲイコミュニティに対する解像度が高く、映像も映画さながらの美しさに仕上がっている。今回は主演を演じた啓太さんと矢口しょうさんに、本作の見どころから普段のナイモンの使い方まで語ってもらった。
ゲイ当事者だからこそ共感できる“あの頃”が
詰まったエモーショナルな映像作品
ーー出演に至るまでの経緯を教えてください。
矢口しょう(以下、矢口):ナイモン公式Xで投稿された「オリジナルドラマ出演者募集」のポストを友人から共有されて、オーディションを受けることを薦められたので挑戦してみたという流れです。書類選考を経て対面での面接と実技へ臨み、1ヶ月もしないうちに出演が決まりました。
啓太:僕も同じような感じで、友人が「オリジナルドラマ出演者募集」のポストをリポストしてて、応募してみようと。元々、演劇を学ぶ学校に2年通っていたので、そういった経験を活かせればと思ったんです。
ーーオーディションを経て主演に選ばれたとのことですが、どのようなお気持ちでしたか。
矢口:顔合わせの時に主演に選ばれたことを知ったのですが、あまり実感はありませんでした。元々、友人の薦めで受けたということもあると思うんですけど、その時点では感情の起伏はなかったです(笑)。
啓太:僕は全く逆で動揺し過ぎて、「主演」という意味をウェブで調べて本当に自分が思っている「主演」の意味と合っているか、照らし合わせるほどでした。
ーー顔合わせのときにお互いの存在を知った形なんですね。
矢口:そうですね。彼の最初の印象としては、すごい熱心でスタッフの方々とも密にコミュニケーションをとりながら役作りをしていたので、経験の差というのを実感したというか。あとは良い意味でゲイコミュニティに染まっていない感じが役にもピッタリだなと思いましたね。
啓太:自分自身、ゲイウケが良い方ではないと思っているので、彼を見た時は「めちゃくちゃモテそうだし、レベルの差…」みたいに思ってました(笑)。ただ、撮影を通して内面を知るようになってからは、気さくに話せるようになりましたし、11歳の年齢差もほとんど意識することは無くなりました。
ーー撮影中に印象に残っていることはありますか。
啓太:出演者の方もスタッフの方も皆さん楽しい人ばかりで、どれも良い思い出として残っているのですが、一つ挙げるとするならば、予告編でも流れているハルとトウマが海辺を歩くシーンです。画自体もすごくエモーショナルですし、実際に打ち上げられた花火も綺麗でした。
矢口しょう:あのシーンは特にセリフが用意されているわけではなかったので、気負わずに楽しめました。
ーーお二人はプライベートでナイモンをどのように使うのでしょうか。
矢口:主に恋人を見つけるために使っていましたね。今は恋人がいるので…っていう感じです(笑)。
啓太:僕はリアルと友人づくりがメインです。1年前ぐらい前まではゲイの友達が全くいなかったんですけど、その頃から二丁目に頻繁に飲むようになって、飲み友達が欲しくてとりあえず誘いまくってましたね(笑)。次第に1人ずつ誘うのが面倒になって、一気に誘って全員初対面の状態で飲むということもありました。ただ、そのときに揃った5人は今でも仲が良くて、声をかけて良かったなって思ってます。
ーー最後に『あのときの僕らはまだ。』を楽しみにしている方達へメッセージをお願いします。
啓太:僕が演じたハルは能動的というよりは受動的で、人に導いてもらうタイプかなと思ってます。ただ、それって都市部に住んでいるゲイの人は割と経験しがちなことというか…例えば二丁目に連れて行ってもらうとか、自分とは異なるゲイライフを送る人の生活を垣間見るとか。
ゲイコミュニティに属して間もない“あの頃”を思い出させてくれるのがハルという人物なんじゃないかなと。ハルとトウマの行く末を見守ってくれたら、嬉しいです。
矢口:誰しも、歳を重ねるにつれて人間関係って変わっていくと思うんですけど、そう行った中でもハルとトウマの存在を通して、「自分はこうだったな」「あの頃はこんなことがあったな」と少し前の人生を振り返るきっかけにもなれたら良いなと思ってます。
何より、そういった経験があったからこそ、大切にしたい人や自分自身が存在することがより感慨深く感じられると思うんです。全10話、ぜひご覧ください。
◆ナイモンチャンネルオリジナルドラマ『あのときの僕らはまだ。』
1話はこちらから!
配信日:1月9日(木曜)21時より9monsters公式YouTubeチャンネル「ナイモンチャンネル」にて配信スタート。2話以降、毎週木曜21時配信。全10話。
取材・文/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO