出会った時から互いに惹かれあった、ユイ(片山友希)とトランスジェンダーの真也(坂東龍汰)。時にすれ違い、別々の道を歩むが再び出会ったフタリ。愛を確かめあい、ある決断をする。それはもしかすると常識を越えているのかもしれない。
だが、安らぎに満ちたフタリには、確かに感じる未来があったーー。
監督・脚本を務めたのは、自身もトランスジェンダー当事者である飯塚花笑監督。
「性別を超え、常識を越え、時を越えた、新しい映画を作ろう。そしてどんな形にも囚われること のない、“愛”を描き出そうと思う」。そんな想いが込められた本作には、恋愛や夫婦、家族のあり方で 悩む人たちの「現在(いま)」とそこから見つける「未来への希望」が描かれている。
ーー結婚もできない、子どももできない。それでも、ただ幸せになりたいと願ったフタリの10年間。
保育園に勤める今野ユイと実家の弁当屋を手伝っている小堀真也は、出会ってすぐに恋に落ちる。
付き合い始めた2人は、将来結婚する約束を交わし、幸せな日々を過ごしていた。
ただ真也には、ユイに伝えていないことがあった。それは、体は女性、心は男性のトランスジェンダー だということ。
真也が時折見せる思い詰めた顔に不安を感じていたユイは、ある時、その理由を知る。
ーー結婚もできない、子どもできない。
子どもが大好きで家庭を持つことが夢だったユイは、真也と一緒にいるべきか否かを悩む。
だが2人は、事実上の結婚をし、同棲生活をスタートさせた。
数年後。確かな愛を感じながらも、ユイは子どもや家庭を持つ夢を捨てきれずにいた。このまま真也と一緒にいていいのだろうか……。
そう思い悩むユイの気持ちに、真也もまた気づいていた。真也はユイに別れを切り出し、2人は別々の道を歩むことになった。
ユイは、新しいパートナーと出会い、結婚する。一方、真也は友人・俊平と静かに暮らしていた。子どもを持つことに憧れていたユイは、妊活に励む。だが夫との間に子どもはできなかった。
夫と気持ちが徐々にすれ違う日々のなか、真也と再会したユイは胸が高まる。
同じく、真也もユイのことを忘れられずにいた。
お互いの気持ちを確かめ合った2人は、再び一緒に歩み始めたユイと真也は、子どもの誕生を夢見るのだがーー。
ーー地方を舞台にした本作では、チクチクと胸を刺すような性規範に基づく言動に日々息を詰まらせながらも、幸せになろうともがくユイと真也の不器用で真っ直ぐな愛が描かれている。
現在公開中の映画『フタリノセカイ』。ぜひ、劇場でチェックしてみて。
◆フタリノセカイ
新宿シネマカリテほか、全国順次公開中
https://futarinosekai.com
Twitter@futari_world
配給/アークエンタテインメント
©️2021 フタリノセカイ製作委員会
記事制作/newTOKYO