部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!
さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。
第14回目は“Delulu”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!
ーーニュー子が出演するクラブイベントから朝帰りするジョーとツバサ
冬のクラブ帰りって、なんでこう昔のことをたくさん思いすんだろうなぁ。
それほど年月を重ねてしまったってことじゃないの? でも、まぁ冬の朝日と冷たい空気、クラブ帰りって揃うとエモくなるのも分からなくはないわ。
あら、ジョーとツバサじゃない。結局、朝までいたのね。二人で帰ってるってことは…そういうコトよね(笑)。
ニュー子さんの意地悪ぅ〜。良いオトコがいなかっただ〜け。それにワタシは一人で生きていけるもん。
まぁ、手が届かないものに手を伸ばしてのめり込んでしまうよりも、よっぽどマシね。のめり込む…そうだ、今月のゲイ会話はこんなんでどうかしら?
【今月の一生に一度も使わない例文】
I will take my 100 delulu back to my hometown at the end of this year as a benefit of crowdfunding.
なんか…その…壮観な田舎の風景だな。
これ後ろにいる人たち、ニュー子さんの追っかけじゃない? しかも結構、度を越した人ばかりのようだけど…?
Deluluっていうのは、「非現実的な妄想に捉われている人(≒度を超えたファン)」ことを指すのよ。全体の意味としては、「私は今年の年末、クラファン特典として100人のDeluluを引き連れて実家へ帰省します」となるわ。
自分に執着する非現実的な妄想家を実家に招待する特典って、どんだけの金額を支援したらいいんだ…。
というか、こんなことしないといけないほど、ニュー子さんお金に困っているの!?
二人とも、これGAY会話のレッスン例文よ。事実な訳ないでしょ!
■プロフィール
ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。
ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。
ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。
イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO