
部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!
さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。
第21回目は“Himbo”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!
ーー都心も梅雨入り。ツバサのバーにはニュー子とジョーだけがポツリ。
………………暇ね。だーれも来やしないわ。だから梅雨って嫌なのよ〜。
ジメ〜ってした空気、汗の匂い、濡れたYシャツが肌にペタってつく感じ…総合的に考えて直帰一択だもんな、普通は。
それよりも、汗の匂い、濡れた白タンクトップってのが頭から離れなくなっちゃったんだけど? タイプな男が、アタシの頭の中で爽やか笑顔で動きまくってるんだけど?
ニュー子さんの妄想、意味わからないんだけど?(笑)
それじゃ、頭の中をスケッチするから、今月のゲイ会話はこれで決まりよ!

【今月の一生に一度も使わない例文】
The himbo is trying to sexually attract me with a limbo with a limbo dance in the rain.
ヒン坊? 天気予報の新キャラ?
惜しいわ、ジョー。 Himboと書いて、ヒンボ。ルックスは良いけど頭は空っぽっていう男を指すスラングなの。
ニュー子さんのタイプ、なんか意外だわぁ。
悪知恵が働かない子が可愛いじゃない。最近では愛嬌があるっていうポジティブな意味合いも含まれるそうよ。全体の意味としては「雨の中、Himboがリンボーダンスで誘ってきます。」となるわ。
にしても、想像力が豊かな女装だ。

■プロフィール
ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。
ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。
ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。
イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
編集/芳賀たかし