【Kazutoさんインタビュー】「誰かの背中を押す一冊になったら」。初の写真集「Kazuto 1st photobook Sexuality」に込めた想い

Netflixリアリティシリーズ『ボーイフレンド』出演をきっかけに、世界中から注目を集めているKazutoさん。初となる写真集「Kazuto 1st photobook Sexuality」は、沖縄で撮り下ろしたポートレートをはじめ、セクシュアリティに触れたロングインタビューや108問108答、まかないレシピを公開するページなどユニークな企画が詰まった1冊となった。

今回のインタビューでは制作の様子から本書に込めた想いを、ファンへのメッセージを添えてお話ししてくれた。

沖縄の大自然に囲まれて。
Kazutoさんの魅力が存分に
惹き出された写真は必見

ーー写真集のお話を受けた時はどのような心境でしたか。

お話を頂いたのが8月ぐらいで、嬉しいというよりも戸惑いましたね。そもそも、写真集を出していい立場なのか不安でしたし、『ボーイフレンド』の配信が始まった7月以降は勤めていたお店が忙しくなって、じっくり考える暇もなかったので。
結果、随分と間が空いてからお返事する形となってしまいました。それにも関わらず迅速に打ち合わせの場を設けて頂いたこと、また色々なことに挑戦するタイミングだと感じたこともあって、お受けすることにしました。

ーー今回の写真集では、沖縄で撮影された写真も数多く収録されているそうですね。

打ち合わせを重ねる中で、「都会的な生活の延長線上というより、自然に囲まれたロケーションで撮影出来たらいいよね」という話になって。
僕も自然が好きなので、沖縄で撮影することが決まったときはすごく嬉しかったです。ただ、仕事で沖縄へ行くことも、ましてや写真集の撮影も初めてのことだったので、初日は緊張しっぱなしでした(笑)。

ーー撮影はどのようなスケジュールで進行したのでしょうか。

滞在期間は2泊3日で、早朝から日没まで撮影を行っていました。決して長い期間ではなかったですけど、宿泊先がスタッフの方達と同じだったこともあり、すぐに合宿のようなムードが出来上がりました。
フォトグラファーの方を含めて、現場で初めてお会いする方とも打ち解けやすい環境だったことが、カメラの前でも自然体でいられた理由だと思います。

ーーお気に入りのショットがあれば教えてください。

どれもお気に入りで迷ってしまうんですけど…最終日に撮影した写真はとても気に入っています。海辺に建っている4階建てのハウススタジオで撮影したんですど、陽の射し方がすごい綺麗で。
各フロア世界観が作り込まれていて、それに合わせたヘアメイクや衣装で撮影に臨むのがとても楽しかったです。自分で言うのは少し恥ずかしいんですけど…カッコよく撮れているはずです(笑)。

ーー撮影前に意識的に取り組んだことはありましたか。

仕事が忙しくなってからは全然ジムに行けてなかったのですが、写真集を出すことが決まってから再び通い始めました。少しでも鍛えた体を写真として残したほうが皆さんにも喜んでもらえると思ったので、撮影までの2ヶ月間は通えるだけ通いました。

ーーということは、万全なコンディションで撮影に臨めたようですね。

それが撮影前日に緊張し過ぎて、全く眠れなくて。おまけに口の中にヘルペスが2個出来てしまい、最悪でした(笑)。早く寝る練習もしていたし、体調には気を使っていたのに…テンションが下がると言うよりは、ヤケになって夜中1時にハンバーガーを食べる暴挙に出てしまいました。

「意味のある一冊にもしたかった」
セクシュアリティについて触れた
ロングインタビューも掲載

ーー写真集のタイトルが「Kazuto 1st photobook Sexuality」ということで、タイトルに込めた想いをお聞かせください。

『ボーイフレンド』が配信される以前、僕は親や友達に対してセクシュアリティをオープンに接することはほとんどなかったんです。上京してから新宿二丁目へ足を運ぶこともありましたが、友達と呼べる人も数えられるほどで、いわゆるクローゼット(LGBTQ+当事者においてはセクシュアリティを公表せずに生きる人を指す)として生きてきました。

世界中に配信される動画コンテンツ、そのうえ男性同士の恋愛ドキュメンタリー番組に出演するとなると、セクシュアリティを隠すことは出来ません。ただ、お話をいただいたときに、葛藤はありながらも自分を隠さずに堂々と生きていくためには良いきっかけになるんじゃないかと。

ーー新たな自分として一歩踏み出すきっかけになったのが、自分自身を今まで悩ませたものでもあり、大きく変えたものでもあった“セクシュアリティ”だったと。そこから写真集のタイトルにも繋がっているわけですね。

そうですね。たくさんの方々から温かいメッセージをお送りいただけましたし、僕が踏み出した一歩が、人に勇気を与えられるものになり得るんだと気づけた時間でした。

写真集を出すことに決めたのも、やっぱりそういった反響が背中を押したというか、1人でも喜んでいただける方がいるのであればという気持ちは強くありました。

同時にLGBTQ+コミュニティへの正しい理解を広めるために、できることがあれば積極的に行動したいと思ったんです。なので、ロングインタビュー企画のページにも、自らセクシュアリティに関する質問を設けてほしいとお願いをして。

これまでどのようなことでセクシュアリティに悩み生きてきたのか、皆さんに知っていただくことで、意味のある一冊になるんじゃないかなと思ったんです。

ーーお話いただいたように、Kazutoさんの想いがたくさん詰まった一冊になっていると思います。初めて出来上がった写真集を手にしたときはいかがでしたか。

めちゃめちゃ感動しました。10月に撮影を終えてからは写真のセレクト作業を中心に担当の方と頻繁にやりとりを行っていましたが、校了したのは年が明けてから。
1ページ1ページめくるたびに思い出が蘇ってきました。何もかもが懐かしく感じられたのは、濃厚な制作期間を過ごしたからだと思います。

ーー2025年は写真を出すという大きな出来事からスタートしますが、Kazutoさんの今年の目標を教えてください。

昔から自分のお店を出すことを目標にして生きてきましたが、ようやくその夢を叶えることができそうなので、今は開店準備に全神経を集中させているところです。

ーー最後に写真集を楽しみにしている方へメッセージをお願いいたします。

『ボーイフレンド』をきっかけに、たくさんの方に知っていただけただけでもありがたいことなのに、SNSを通して応援のメッセージや見守ってくれる方達と出会えたこと、とても嬉しく思っています。皆さんの声が日々の原動力であり、励みにもなっています。

その声に対する感謝を形にしてお返ししたくて、今回は写真集を制作しました。自画自賛になってしまうかもしれませんが、どれも素敵な写真ばかりで、ページをめくるたびに感動していただけるかなと思います。

純粋に楽しんでもらうことはもちろん、少し疲れてしまったときや頑張りどきなどシーンを問わず一人ひとりの生活に寄り添う1冊になっていたら嬉しいです。

幼少期の写真も載っていて、これを見れば僕がどのように育ってきたのか分かると思うので、ぜひ手に取ってみてください。出版イベントに来てくださる方は、会えるのを楽しみにしています!

◆Kazuto
Instagram@kaz._.too
和食料理人。Netflixリアリティシリーズ『ボーイフレンド』出演。実直な人柄とベビーフェイスで多くの視聴者から支持を得ている。現在は和食料理店の開店準備を行いながら、インフルエンサーとしても活躍中。

◆「Kazuto 1st photobook Sexuality」
Instagram@kazuto_pb_official
A4判 144ページ/出版社:玄光社/発売日:2025.2.14/撮影:松井伴実 /定価:本体3,000円+税、電子版定価:3,000円+税/ISBN-978-4-7683-2014-3
【目次】
沖縄ロケ篇 /Kazuto’s kitchen まかない篇 /Kazuto’s training/沖縄ロケの感想やこれまでの生い立ち、自身のセクシャリティにまで迫ったロングインタビュー/108問108答/知人が語る!Kazutoさんってこんな人! (アランさん・リョウタさん・じゅんじゅんさん・四ツ谷胡桃屋代表)/Memories of Kazuto’s childhoodでは子ども時代のかわいい写真を初披露/Behind the Scenes of Kazuto’s Shootingでは撮影の裏側を大公開

◆書店イベント
<東京>
開催日:2025年2月15日(土)13:00~
会場:ブックファースト新宿店
https://www.book1st.net/event/2025/01/000967.html

<大阪>
開催日:2025年2月22日(土)13:00~
会場:紀伊國屋書店グランフロント大阪店
https://store.kinokuniya.co.jp/event/1733486429/

Netflixリアリティシリーズ『ボーイフレンド』
Netflixにて独占配信中

取材・文/芳賀たかし
写真/新井雄大

24歳で、ゲイで、画家で。孤独を描き留める武内雄大について

2022年7月に初となる個展「贔屓する日光」を開催し、画家としてのキャリアを本格的にスタートさせた武内雄大さん。孤独や停滞、社会への皮肉、ゲイセクシュアルの日常などを収めた作品は、観る者がマイノリティであることを自覚しているほど、引き込まれる魅力がある。 2024年11月に実家を離れて一人暮らしをスタート、作品に対する評価も着実に重ね転換期を迎えている今、彼は何を思っているのだろう。 怪我を機にサ… もっと読む »

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