2022年度内に東京都で、同性パートナーシップ制度が導入される。それを受けイラストレーターのmoriuoさんが、同性カップルの結婚から老後までを1年間かけて描く展示企画「Life goes on」を3月4日(金)からスタートさせ、反響を呼んでいる。
第一弾では「ウェディング」をテーマに描き下ろした作品はもちろん、これまでの作品も含めて展示。
今回は、本企画に込められた思いを伺った。
ーーこれからの世代の人たちには、結婚という選択肢がある前提で人生を歩んで欲しいから。
実は自分自身、結婚願望がないんです。
それじゃ、なぜないのかを振り返ったとき、幼少期から男性同士が結婚することはできないと思い知らされていたので、気づいた頃には「結婚」という人生の節目を将来のビジョンから除外して生きてきたからだと思うんです。
なので、2022年度内に東京全域で同性パートナーシップ制度が導入されると聞いたとき、結婚の前身ではあるけれど、好きな人と過ごせる選択肢があることを次の世代の人に広く知ってもらいたくて。
一番はLGBT当事者もそうでない人も同じように将来を描けるようになってほしい、そんな思いから今回の企画をスタートさせました。
第一弾は結婚生活の中で最も華々しい「ウェディング」をテーマにゲイカップルはもちろん、今回はレズビアンカップルも描くことにしました。
……というのも、去年ぐらいからレズビアン当事者のカップルから個人的にイラストのご依頼をいただく機会が度々ありまして、その際「moriuoさんが思うカップル像で自由に描いて下さい」と言ってくださった方がいたんです。
セクシュアルマイノリティという意味では同じかもしれませんが、ゲイだからと言ってレズビアンの方たちのライフスタイルに詳しいということはないので、ちゃんと寄り添えるか不安だったんですけど、その言葉やご依頼者さまの生き方に触れて、悩んでいたことが吹っ切れたこともあったので、今回描き下ろすことにしました。
これから1年間、主に地方都市を巡るような形で全国での展示を予定しておりますが、お話があれば、それ以外の地方自治体やコミュニティでも展示をしたいですし、そういった地域では都心部とのLGBTに対する理解の差を埋めるという意義も生まれてくるのかなとも感じています。
この企画を通してパートナーシップ制度の次に見据えている、同性婚という形を実現するための一助になれたら嬉しいです。
■Life goes on
期間/2022年3月4日(木)~3月20日(日)
会場/changing moods CAFE/DINER and BAR
(東京都中野区本町4-19-6/03-6382-8878)
営業時間/木・金:18:00〜21:00、土・日:11:30〜20:00(定休日:月〜水)
Twitter@momomoriuo
取材・写真/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO