ジェンダーの垣根を超えて生きる現代美術家・ピュ~ぴるが構想し夢想する「女神」たちの全貌!

日本を代表する現代美術家・ピュ~ぴるによる個展「GODDES(ゴッデス)」がDIESEL ART GALLERYで2月13日(木)まで開催中。「私の人生そのものがアート」と語る彼女の12年ぶりとなる今回の新作展に込められた想いとは?

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「生と死」、「男と女」、「自己と他者」、「加害と被害」などの対立する概念を自らの身体と重ね合わせて昇華させ、作品として差し出すピュ~ぴるの創作活動は、ジェンダーやセクシュアリティの垣根の先にある高次の世界への誘いとも言える。その表現方法は多岐にわたり、ポートレイト作品や立体作品を中心に、コスチューム、キャラクターデザイン、はたまた執筆なども手掛け、国内外で高く評価されている。

本展では、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に描かれた12使徒をモチーフとした「女神」や初公開の新作7点を加えた写真作品、大型彫刻作品、未公開の関連作品を展示。ピュ~ぴるが構想し夢想する女神たちの全貌を披露。色鮮やかでどこか官能的なその姿がとてもユニークに映ることだろう。

ピュ~ぴるといえば、2011年に公開されたドキュメンタリー映画「ピュ~ぴる」を観た読者も多いのではないだろうか。トランスジェンダーとして、新進気鋭なアーティストとして模索し続けた素顔を赤裸々に公開し話題となったが、ピュ~ぴるのアートの根底には、自身が経験してきた数々の経験や心情が散りばめられているようにとれる。

だが、今作の女神シリーズでは、神という自分の外にある大きな存在をテーマに表現をしたとのこと。社会的に女性と認められ走り続けてきたものの、どこかでその緊張が解けうつ状態に陥った。そこから脱却し、アートと向き合った9年間の歩みと変化がうかがえる。

ファッションとアートを融合した独自の切り口でメッセージを発信し続けるピュ~ぴる。いつだって想像もできない作品と出会わせてくれるところが面白く、今回も「もと男性だった」という事実を明らかにし、自分自身を救うための手がかりも展示。
「私の人生そのものがアート」と語る彼女の個展、ぜひこの機会に触れてみてはいかがだろうか?

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GODDESS ピュ~ぴる
会期/2020年2月13日(木)まで
会場/DIESEL ART GALLERY(東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti DIESEL SHIBUYA B1F)
開館時間/11:30-21:00 (入場無料)

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PHOTO/TAKAMURADAISUKE