性トーク~聞きにくいことは小堀先生に聞けばイイ!~ vol.14 肛門周囲を舐める“リミング”で感染する「赤痢アメーバ症」に要注意 #プライベートケアクリニック東京

恋愛や性交渉のことはいくらでも友達と話せるけど、プライベートゾーンに関係する性病や性機能となると、なかなか腹を割って話せる人って少なくない? MSM(男性間性交渉者)の場合、調べても中々求める答えに辿り着けない…ってこともあるし。

この連載では、プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友先生監修のもと、人に聞いてもパッと答えが分からないメンズの性のお悩みにフォーカス。第14回目はゴーゴーボーイの千葉優人くんと一緒に、「赤痢アメーバ症」について、アレコレ掘り下げる。

ーー「アメーバ赤痢」感染者の約85~91%が男性なのは、なぜ?

優人さん、突然ですが「アメーバ赤痢」って知っていますか?

赤痢というからには…やっぱり腸に関連する感染症じゃないですかね。

その通りです。ただ、このアメーバ赤痢、MSMの人が特に気を付けないといけない感染症なんです。というのも、2000年~2013年で報告された9,946例のうち、約85~91%が男性なんです。

つまり、男性同士での性交渉で行われる行為が関係しているということですね。となると…リミング(肛門を舐める)や肛門性交、オーラルセックスが感染経路ってことですか?

優人さん、冴えに冴えてますねぇ。東京都感染症情報センターの報告にも、​MSMは赤痢アメーバ感染のハイリスクグループの一つとされているんです。また、日本では年間1000例以下と非常にまれな疾患であり、ほとんどお見掛けすることはありません。私も年に1人みればいいくらい、めったに見ない病気です。

ーー赤痢アメーバが引き起こす様々な症状。時には脳や肺にも影響を及ぼす可能性も

そういえば、肝心の症状について聞いていませんでしたが…どのような感染症なんですか?

先ほど性的接触(特にMSM間)やそれに伴う糞口感染などが感染経路であることをお伝えしましたが、汚染された水・食品にも注意が必要です。感染した場合、1~4週間の潜伏期間を経て、粘血便、腹痛、軽度の発熱(=腸管アメーバ症の症状)や 腸管外アメーバ症による肝膿瘍(発熱・右上腹部痛)を引き起こします。

腸以外にも肝臓にも影響が及ぶんですね。

腸管外合併症として最も多い肝膿瘍は、放置すると致命的なダメージを負いかねません。そのほか腸管合併症としては腸穿孔、腸狭窄、腸出血、慢性腸炎などが挙げられます。

なんだか字面を見るだけでも強烈な痛みが伴うのがイメージできます…。

アメーバ赤痢は、前述した意外にも稀に肺膿瘍や脳膿瘍、皮膚病変も引き起こすので早期診断と適切な治療が重要なんです。

ーー高リスク地域ではより一層「アメーバ赤痢」への予防意識と清潔を保つこと

予防策としてはどのようなことをすればいいんですか?

基本ですが、手洗い(食前・トイレ後・性交後)の徹底や、安全な飲食(生水・生野菜・屋台の食事を避ける)の確保、性的接触での適切な予防(コンドーム、性具の消毒、定期検査)、 医療・介護現場では適切な防護策(手袋、消毒、隔離)を講じることが大切です。加えて高リスク地域で過ごす場合は、清潔な水と食品を選ぶことを念頭に置いてください。。

日常生活において特段、難しいということはなさそうですね!

そうですね。また、検査は一般的に便検査で、そのほか血液検査や内視鏡検査などがあります。 治療方法はメトロニダゾール(第一選択薬)に加え、再発予防としてパロモマイシンを服用することになります。肝膿瘍を併発した場合は穿刺排膿(針で膿を排出する処置)も考慮されますが、重症例は外科手術となる場合があります。

いろいろな性感染症について知ると、ますます予防意識が高まっていく感じがあります。赤痢アメーバには絶対感染したくないので、常に清潔でいることを心がけますっ!

特にMSM(男性間の性的接触)や流行地域に渡航する人は検査が推奨されます。感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、必要に応じて適切な治療を受けることが重要ですし、定期的な検査と予防策の徹底が重要です。

#15は3月更新予定。赤痢アメーバの高リスク地域に関しては、こちらからご確認ください。https://ameba.ncgm.go.jp/faq/

■性トーク
プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友医師監修のもと、「人に聞きにくい」「調べてもパッとしない」メンズの性のお悩みにフォーカスする月2回更新の連載企画。4回ごとに異なるモデルを迎え、トークルーム風にアレコレ掘り下げていく。

■プライベートケアクリニック東京 (東京院・新宿院)
性感染症の適切な診断・治療を行うクリニック。皆さまを温かくお迎えし、PrEP/PEP・性感染症(性病)の適切な診断・治療を行います。女性・男性・LGBTQ+の方・パートナー同士でも受診することが可能です。
https://pcct.jp/

■小堀善友 医師
プライベートケアクリニック東京東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。

モデル/千葉優人
写真/JOE
デザイン/鈴木美結
企画・編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO
タイアップ・監修/プライベートケアクリニック東京

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