
恋愛や性交渉のことはいくらでも友達と話せるけど、プライベートゾーンに関係する性病や性機能となると、なかなか腹を割って話せる人って少なくない? MSM(男性間性交渉者)の場合、調べても中々求める答えに辿り着けない…ってこともあるし。
この連載では、プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友先生監修のもと、人に聞いてもパッと答えが分からないメンズの性のお悩みにフォーカス。第20回目はゴーゴーボーイのNAOさんと一緒に、DoxyPEP(ドキシペップ )の効果や服用方法について、アレコレ掘り下げる。

ーーDoxyPEPで予防できる、性感染症を教えてー!
PrEPやPEPに続いて、耳にするようになったDoxyPEP…って、何を予防できるんですか?
DoxyPEPはクラミジアと梅毒をそれぞれ70-90%、淋病を50%予防出来ると言われています。2025年にはイギリスでDoxyPEPのガイドラインが発表され、世界各国で効果のある予防方法とされています。
DoxyPEPのお薬はどのように服用すればいいのでしょうか?
飲み方については、性交渉後72時間以内にビブライマイシンを2錠服用するだけです。性交渉前に飲んで効果が確認されたというデータはないので、行為の後ということをお忘れなく!

ーー他のお薬を飲んでいたり、HIV陽性だったりしても併用できるの?
他のお薬と併用しても問題ないですか?
ビブラマイシンは一緒に使っていけない薬はほとんどありません。PrEPの併用も大丈夫ですし、他の薬と合わせて服用することができます。ただし、併用注意の薬もありますので、処方を受ける際には医師に相談してください。
ビブラマイシンの副作用について教えてください。
抗生物質に共通する、下痢や吐き気などの消化器的な副作用や、光線過敏症といった副作用があるものの、頻度は高くありません。
HIV陽性の方でも、DoxyPEPでの予防を行うことは出来るのでしょうか。
もちろん、出来ますよ! 肝機能障害や腎機能障害の副作用は、1%以下と極めて稀ですので、日常生活を健康に過ごせている方は、問題なく使用することができます。ちなみに、現在のPrEPで使われているデシコビのジェネリックは、腎機能への影響も極めて少ないので、多くの方が安全に使用できます。

ーー何回も使っていると予防効果が薄れるって、本当?
DoxyPEPでの感染予防を継続的に行っていると、薬の効果が薄れると聞いたことがあるのですが…
NAOさんの言う通り、薬剤耐性は世界的な問題となっていますが、DoxyPEP(ドキシペップ)で使うお薬は、細菌を壊したり抑制する「抗菌薬」の一種です。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、「適切な管理のもとであれば、そのリスクは許容範囲内」との見解を示しているんです。
“適切な管理のもとで”ということですが、プライベートケアクリニック東京ではどのような体制を整えているのでしょうか?
当院では、●3〜6ヵ月に一度の定期検査の推奨 ●専門医による適切な服用指導とリスク説明 を行うことで患者さま一人ひとりに合わせた、安心・安全な長期的サポートを心がけています。
※DoxyPEP(ドキシペップ )は、医師の診察・検査を経て処方される医療行為です。自己判断や自己入手による服用は、体調を損なうリスクがありますので必ず専門医にご相談ください。
※DoxyPEPと飲み合わせが悪いお薬もありますので、服用中のお薬について診察時にお知らせください。
※現在、男性同士での性行為がある方や、トランスジェンダー女性の方に対し効果が証明されています。女性に対しての効果は立証されていませんが、当院では、感染リスクの高い方に対して、説明の上、処方しています。
■性トーク
プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友医師監修のもと、「人に聞きにくい」「調べてもパッとしない」メンズの性のお悩みにフォーカスする月2回更新の連載企画。4回ごとに異なるモデルを迎え、トークルーム風にアレコレ掘り下げていく。
■プライベートケアクリニック東京 (東京院・新宿院・名古屋栄)
性感染症の診療を専門家チームが丁寧に行うクリニック。皆さまを温かくお迎えし、PrEP/PEP・性感染症(性病)の適切な診断・治療を行います。女性・男性・LGBTQ+の方・パートナー同士でも受診することが可能です。
https://pcct.jp/
■小堀善友 医師
プライベートケアクリニック東京東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。
記事制作/newTOKYO
タイアップ・監修/プライベートケアクリニック東京