不妊手術訴訟が問う「身体の決定権」 原告棄却も「一歩前進」とされた理由

不妊手術に配偶者の同意などを求める現行制度をめぐり、20〜30代の女性5人が「自らの意思で手術を受ける権利」を求めた訴訟で、東京地裁は請求を棄却した。

一方で判決は、制度の要件について「合理性に乏しい」と言及。さらに「避妊の自由」が憲法上保障されると明示し、制度見直しの必要性にも踏み込んだ。

制限される「産まない選択」

現在の制度では、不妊手術は原則として自由に受けられず、生命の危険や出産経験などの条件に加え、配偶者の同意が必要とされる。裁判所は今回、「避妊の自由」は認めつつも、不妊手術そのものは「人格的生存に不可欠とは言えない」とし、憲法上の権利とは認めなかった。

その一方で、配偶者同意や出産経験を前提とする要件については「合理性に乏しい」と明言した。原告側が今回の判決を前向きに評価する背景には、避妊の自由が憲法上の権利として明確に位置づけられた点がある。また、現行制度の問題点が司法の言葉で示されたことも大きい。

原告たちは、子どもを持たない生き方や、生殖機能への違和感などを理由に「妊娠しない身体で生きる選択」を求めてきた。

問われたのは「身体の決定権」

今回の裁判が浮き彫りにしたのは、生殖に関する選択を誰が決めるのか、という問いである。判決は現行制度を維持しながらも、その前提に揺らぎを残した。

素材提供/一般社団法人LEDGE
撮影/雨森希紀
記事制作/newTOKYO

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