どの国でも母ちゃんは息子の強い味方で、クマ系男子はちょっぴり毒舌で乙女。同性婚ハートフルコメディ映画「天空の結婚式」1月22日公開!

イタリアで、2016年に下院議会で同性カップルの結婚に準ずる権利を認める「シビル・ユニオン」法が可決されたことを受けて、ニューヨークのオフ・ブロードウェイでロングラン上演された大ヒット舞台『My Big Gay Italian Wedding』が、イタリアのコメディ映画界の重鎮アレッサンドロ・ジェノヴェージ監督によって映画化。
2021年1月22日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか全国順次公開!

同性婚やカミングアウトを扱う作品はたくさんあるけれど、邦画作品では苦悩や悲観を中心に描く作品が多くて…ちょっぴり重めですよね。もちろん、そこから得られるものはたくさんあるのだけれど、たまには底抜けに明るく楽しいLGBT映画も観てみたいですよね!

この作品は同性婚やカミングアウトを題材として描いているけれど、とことんハッピーになれちゃうので本当にオススメです。

主人公のアントニオは愛するパオロに男らしくプロポーズするものの、実際は周りに流されやすく押しにめちゃ弱いタイプ。流れで、実家に帰るついでに家族に同性婚報告とカミングアウトをすることになっちゃったものだから…のどかな故郷の村が大騒ぎになります。

一方のアントニオのパパとママなど、彼を取り巻く人々はかなりの曲者揃い。
村長でもあるパパは難民を受け入れるなど、自分ではめっちゃ良識的でリベラルを装っているけど実はガチガチの保守派。突然の息子のカミングアウトを受け入れられず大ショック。そんな中、ここぞとばかりに妻に仕切られ家からも追い出されて威厳も減ったくれもない状態に。こういう流されやすいところ、息子とそっくりです。

貞淑な妻のママは息子のカミングアウト(実はうすうす気付いていた)に一瞬戸惑うものの即座に考えを改め、無表情のままテンションマックスで大暴走。カレーを煮込んでいる間にポテトサラダを作るみたいな効率の良さを発揮し、村おこしの一挙両得まで狙いオネエのウエディングプランナー&マスコミまで引っ張ってきて、息子たちを置いてけぼりに盛大な結婚式を計画しちゃいます。

息子のためという大義名分を盾に、夫婦間の蓄積された不満までしっかり解消しようとするあたり、かなりの策略家という感じ。母親の底力と愛ある勘違いは世界共通なようです。

アントニオからプロポーズされるクマ系男子のパオロは見た目とは裏腹にしぐさにちょっぴり乙女が出ちゃうところが可愛らしい。母親とは過去のカミングアウトで疎遠になっているのは、毒舌なのにいざという時に相手の判断を尊重して肝心なことを言わない性格だから(でも根に持つ)。

パパと同じく周りに流されやすいアントニオに対し、アントニオのママとパオロは「不満があっても夫を立て、とりあえず静観して様子を見る(そして不満が貯蓄されていく)」という性格がよく似ているので、将来、アントニオ&パオロはこういう夫婦になるんだな〜と予感させる。

その他にも、やたらメンタルが弱い女装おじさん(めちゃ寂しんぼう)、能天気なアパートの大家女子(トンデモ性癖)、アントニオに付きまとう幼馴染みストーカー女子(病み系)、虫やヤギとお話ししちゃう修道士(一番の良識人?)など、おかしな人が騒動をさらに引っ掻き回します。

ハプニングの連続の中、果たして彼らは無事に結婚式を挙げることができるのか。いろんな意味で衝撃としか言いようがないラスト(マジびっくりするから)をぜひ、劇場で確認してみて!

ストーリー/ベルリンに暮らすアントニオは、恋人で役者仲間のパオロに“人生を一緒に歩んでいくならこの人”と確信し、遂にプロポーズ。2人は結婚することになるが、問題は互いの親。パオロはゲイであることをカミングアウトして以来、母親と疎遠になっている。一方、アントニオはイタリアで村長を務める父と母に、カミングアウトと同時に結婚の意志を伝えに行こうとするが――。

■ 映画:天空の結婚式
2021年1月22日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
©Copyright 2017 Colorado Film Production C.F.P. Srl
htpp://tenkuwedding-movie.com

記事制作/みさおはるき(newTOKYO)