【本邦初公開】70年代のNYアンダーグラウンド・シーンのクィアたちの姿を捉えた作品も上映する映画祭が、東京・浜松・名古屋・京都にて特別開催!

昨年大きな反響を得た『UNDERGROUND CINEMA FESTIVAL』が、今年11月26日(土)より東京・浜松・名古屋・京都にて巡回上映される。
この映画祭は、1960年代~70年代のアンダーグラウンドな映画作品を現在に蘇らせ、新たな観客との出会いの場を作り出すことを目的としたもので、海外で高い評価を受けながらも上映の機会が少ない作品を特集。

今年のテーマは「サイケデリックと越境の旅」と題し、未知の世界を求める旅を描く作品を切り取る。精神世界の探求者であり自然農の実践者としても著名なアーティスト・おおえまさのりの全作品を中心に、フィルム・オリジナルの作品をデジタル化で復活させ、愛と自由と解放のメッセージを考える全19作品、7プログラムを上映。

また今回は日本のアンダーグラウンド作品の中から、70年代の自主クィア長編劇『バイバイ・ラブ』に加え、ドイツLGBTQ映画の重鎮・ローザ・フォン・プラウンハイム監督のドキュメンタリー映画『アンダーグラウンド・イン・ N.Y.』を特別招待。

70年代のNYアンダーグラウンド・シーンのスターたちの生々しい姿を捉えた、本邦初公開作品が上映される貴重な機会となっているので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか?

※上映後にはトークショーなども予定されている回があるので、そちらもあわせてチェック!!

[70年代クィア・シネマの発見]
●バイバイ・ラブ(1974年/85分/監督:藤沢勇夫)

当時、東映の助監督を務めていた藤沢勇夫が自費で作り上げた長編劇映画。ポップアートやアメリカン・ニューシネマの影響を受けたスタイリッシュなカップルの逃走劇に、セクシュアリティとジェンダーによる愛と肉体の葛藤が絡む異色のラブストーリー。

ギラギラする原色とサイケデリックな映像が作り出すビザールな世界の中、自由と解放を求めてさすらうウタマロとギーコが行き着く先は…。時代を先取りしたテーマで、日本のニュー・シネマの誕生を宣言した、自主映画の傑作。

[N.Y. アンダーグラウンドの光と影]
●アンダー・グラウンド・イン・N.Y(1976年/90分/監督:ローザ・フォン・プラウンハイム)
※本邦初公開・日本語字幕付き

ドイツ映画界におけるLGBTQ活動家の先駆けであり、ニュー・ジャーマン・シネマの異端児ローザ・フォン・プラウンハイムが、1970年代のニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンを捉えた貴重なドキュメンタリー。
小劇場(オフ・シアター、オフ・オフ・シアター)や路上で生み出される新しい演劇やパフォーマンスの世界。彼らは助成金や寄付に頼る事なく、自分たちの表現を求めて活動を続ける。その中心にいるのが、セクシュアルマイノリティーの人々だ。彼らのバイタリティと創造力溢れるクレイジーな姿を映画は映し出す。

ウィリアム・バロウズ、フェルナンド・アラバール、ロバート・ウィルソン、ディヴァイン、ジャック・スミス、イヴォンヌ・レイナーなど、ニューヨークの鬼才たちが続々と登場。ラ・ママ実験劇場の創設者エレン・スチュアートやジャドソン記念教会のアル・カーマインズなどの重要人物もインタビューを受ける。日本の前衛芸術家・荒川修作も紹介される。  

劇場場面も交えながら、アンダーグラウンドな表現の闘争と解放、栄光と挫折の歴史がレポートされる。ドイツの文化政策を批判し、ウォーホールを皮肉るプラウンハイムのクィアでパーソナルな視点が、当時のリアルな状況を伝えている。

UNDERGROUND CINEMA FESTIVAL’22
>東京・下高井戸シネマ|11月26日(土)~12月2日(金)※連日20:00〜上映開始
>浜松・浜松市鴨江アートセンター101|12月3日(土)〜12月4日(日)
>名古屋・名古屋シネマテーク|12月17日(土)~12月23(金)※レイトショー上映
>京都・京都文化博物館 フィルムシアター|12月24日(土)〜12月25日(日)
※各会場の料金や上映プログラム・上映後のトークショーなどの詳細は公式サイトよりご確認ください。
https://lit.link/UCF

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記事制作/newTOKYO