新宿二丁目から届ける健康のメッセージ。ゲイバーガイドも載っている「ヤローページ2022」配布開始!

新宿二丁目ガイドのヤローページ

新宿二丁目のスポットガイドと、HIV検査情報などを網羅した冊子「ヤローページ」の2022年版が刊行された。この冊子は、コミュニティセンターaktaが毎年無料で配布し、この街と一緒に生きる仲間に向けた健康情報を届けているもので、aktaや新宿二丁目の各ゲイバーなどで受け取ることができる。

コロナ禍を経て約3年ぶりの刊行となった今年は、初心者でも行きやすいバー&クラブ・クルージングスポット・ショップを143店舗紹介。さらに9monstersのイメージモデルへのインタビューに加え、実際の保健所におけるHIV検査の流れや検査が受けられるクリニック情報なども多数紹介している。

今回は、普段気になってはいるけど、なかなか聞きづらい健康に関する情報を一冊にまとめた冊子「ヤローページ」について、コミュニティセンターaktaのセンター長を務める木南拓也(踊り子)さんに、コロナ禍を経てセンターとバーアウトリーチで見えてきたコミュニティの変化を交えつつ、お話を伺った。

aktaのセンター長の木南拓也

ーーコロナ禍では、コミュニティ内での性と健康には何か変化はありましたか? また新宿二丁目にあるセンターからみて、街には何か変化はあったのでしょうか?

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、保健所でのHIV検査が中止、または大きく制限を設けるなど流動的となり、検査を受けたいけれど受けられない人も少なくなかったと思います。aktaでも、「どこで検査を受けれますか?」などの問い合わせや相談を受けることも多くありました。

また、PrEP(曝露前予防内服/性交渉する前からHIVの薬を内服し、HIV感染のリスクを減らすというHIVの予防方法)についても関心が集まっていて、センターでも、バーアウトリーチ中にも、質問を受けたり、最近では感染拡大が広がりをみせる「梅毒」や「サル痘」などの性感染症に関しても話題に上がることが増えました。

新宿二丁目の変化としては、政府や東京都の要請に従って、半数以上の商業施設が営業を自粛されていて、二丁目の人流にも大きな影響がありました。コロナの状況が少し回復し、営業が再開された今でも人流は完全には回復しない現状が続いているかと思います。

あるバーの方からは「週末にはお客さんが戻ってきているけど、平日はまだまだコロナ前のようには集まっていない」といった声も聞いたり、aktaでもコロナ前に比べると、来場者数が激減しているのが正直なところではあります。

ヤローページの広告
ヤローページの広告の夜の様子

ーー今回3年ぶりに刊行された「ヤローページ」ですが、今年の見どころやオススメコンテンツを教えてください。

今回、aktaがアウトリーチ活動などでいつもお世話になっている「新宿二丁目」を応援するツールとして、ヤローページを制作しました。また世界エイズデーにあわせて、新宿二丁目仲通りの交差点にもヤローページの大きな看板を2023年1月初旬まで掲出しています。

見どころは何と言っても新宿二丁目のバー、ハッテン場、ショップなど、143店舗のお店の情報が載っていること。最近では紙ものでお店の情報が載っているものは無くなってきているので、それがまとまって見れるのがポイントです。
まだ新宿二丁目に来たことがない人や、迷っている人にもこの街の魅力を知っていただきたいですし、以前は飲みに出てたけど、コロナを経て飲みに出なくなってしまった人や、前よりも出る頻度が減ってしまった人たちにも、もう一度飲みに出てみたくなるようなキッカケになればと思っています。

ちなみに、これまでのヤローページでは、表紙のビジュアルがイラストだったのですが、今回は9monstersのイメージモデルを務めるPIKAさん、藤波淳士さん、shunさんを起用させていただいたこともあって、すでに話題を集めているので嬉しいですね。彼らのニチョ飲みエピソードインタビューも掲載しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

ヤローページの掲載されている内容

検査情報では、例年は東京都内の保健所検査やイベント検査を案内していましたが、コロナ禍で保健所での検査がまだなかなか以前のようには行われていません。一方で、梅毒やサル痘などの性感染症の検査や治療についての相談や、PrEPについての質問もかなり多く聞かれるようになりました。
そのため、検査をきっかけに「性の健康のかかりつけ医」を持つことをおすすめする意味で、今回は保健所の情報に加え、東京都内のクリニック12施設を紹介しています。病院選びとしても役立てていただければ幸いです。

ーーコロナを経験したからこそ、検査することの大切さや健康への向き合いを考えるきっかけにもなりましたね。最後にコミュニティセンターaktaのことを教えてください。

新宿二丁目にあるコミュニティセンターaktaは、木曜日〜日曜日の15:00〜21:00でオープンしています。どなたでも無料で立ち寄れるフリースペース&HIV/エイズの情報センターです。LGBTQ+などのことを知る漫画や雑誌、HIV陽性者などの手記集などが読むことができます。バーマップやコンドーム、性感染症の情報も手に入れることができます。

今回のヤローページは、aktaでゲットできるのでぜひ受け取るついでに遊びにきてみてください。もちろん、新宿二丁目の各ゲイバーやクルージングスポット、その他関連施設などにも設置されるので、その際はぜひ手に取ってみてくださいね。

コミュニティセンターaktaの様子

■コミュニティセンターakta
所在地|東京都新宿区新宿2-15-13 第二中江ビル301
開館時間|15:00〜21:00(月・火・水・年末年始除く)
TEL|03-3226-8998
http://akta.jp

※aktaでは、新宿二丁目の各店舗にコンドームのアウトリーチ(配達)を行う「デリバリーボーイズ」を行なっています。年齢やセクシュアリティに関係なくボランティアとしてご参加いただけますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

撮影/新井雄大
素材提供/コミュニティセンターakta
記事制作/newTOKYO