女性として生まれたが、自分の性に違和感を持ち続けていた小林空雅さん。13歳のとき、心は男性/生物学的には女性である「性同一性障害(GID)」と診断された後、20歳で性別適合手術を受け、戸籍も男性に変えた。
本作はそんな一人の若者の9年間の変化と成長を描いたドキュメンタリー。 性の違和に苦しみ、それでも自分らしく生きる人々の姿を収めた本作は、性別に限らず誰もが生きやすい社会に近づくための気付きを与えるだろう。
──あるがままの自分に向き合い、「こころの居場所」を探し続けるひとりの若者の記録。
性同一性障害(GID)の当事者として、中学の頃から自分の性をオープンにすることで、周囲を変えてきた空雅さん。法律が定める最低年齢である20歳になった3日後に手術を受け本来の性別に「戻した」。
でも、男でもなかったとしたら…?
心と体が一致しない不具合を感じつつも心を開き、社会へと飛び立っていった空雅さんは、世界最高齢で男性から女性へと性別を変更した95歳のチェリスト・八代みゆきさんや男と女に二分される性に違和感を感じ、Xジェンダーであると話す中島潤さん(26歳)との出会いを通して、「性」という枠組みでは括りきれない多様で豊かな人生があることを知っていく。
枠に捉われない自由な生き方をヒントに導き出した、空雅さんの決断とは──。
■映画:ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間
2020年7月25日(金・祝)よりアップリンク渋谷ほか全国順次公開
©2019 Miyuki Tokoi
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記事制作/芳賀たかし(newTOKYO)