キャラ立ったトークとセルフプロデュース力の高さでコアファンを獲得している、高山大輝(ひろき)と新エイ熾゛(えいじ)によるYouTubeチャンネル『ごめんあそばせチャンネル』。
世界を舞台に活躍するkemioのSpotifyオリジナル番組にもゲスト出演するほか、LGBTQ+に関して独自の見解を示した動画を投稿するなど、ありのままの自分で生きる姿や視聴者と真摯に向き合うスタンスが10代を中心に支持を得ている。
本年度でラストティーンを終え20代を迎える彼らは、悩み多き10代の日々をどのように過ごし、自分らしさを武器に活躍する今を手にしたのか。
周囲の意見にすがってしまったら、それはもう自分の人生ではなくない?自分を信じること、人生を変えるチャンスってそれに尽きると思う。
ーー10代の大半の時間を過ごした学校生活はどうでしたか?
高山大輝:馴染めなかった、というより馴染もうとしなかったです。学校の中でうまく生活しようとか、自分というものを抑えてマジョリティに迎合するということは自分のプライドが許さなかったというか。
他人に気を遣っている暇があったら自分が好きなことを追求する時間に充てて、自分らしく輝ける場所を作っちゃった方が早いなという感じで、SNSという全く別のフィールドを選んで活動を始めました。それがあったからこそ、エイ熾"にも出会えたし、今があると思っています。
新エイ熾゛:あたしは逆かなぁ。明るい男子グループにいつ話題を振られてもいいように予め答えを準備して馴染もうと自分を着飾ることに必死こいてた。まぁ嫌われてたと思うんだけど(笑)。
ただ、大輝との出会いを機にいろんな人との交流を深めていくうち、自分が好きな服や好きな人との時間を大切にしたいという気持ちが強くなってきて、学校以外の場所を作るというのがどれだけ大切なことか分かった気がした時期でもありました。
ーー自分らしく生きる道を選択するために必要なことは?
高山大輝:シンプルだけど自分を信じること、これに尽きます。親や先輩、先生など生きている年数分だけ経験を多く積んでる人から学ぶことはたくさんあるけれど、それらの意見にすがるようであれば、好きな自分で生きていくというのは難しいと思ってます。。他人に自分の意思決定を任せるのは、違うかな。
新エイ熾゛:好きっていう感情に嘘はつかないということ。それは人でも、趣味でも、恋愛でも。人の意見になんとなく流されて信じた結果が、「やっぱ違うな」となったら時間も勿体ないし、何より人のせいにしてしまいそうな気がして、そっちの方が嫌なんです。自分が決めたことで間違って、失敗したら納得できるけど。
ーー2人のYouTubeにアップされた動画の中でも、LGBTQ+に対する独自の見解を話しているものが印象的でした。
高山大輝:あの動画は、視聴者さんから「LGBTについてどう思いますか?」という質問が来て、それに答える形で投稿した動画。僕自身、周囲との関係を持たないまま中学生時代を過ごしたゆえに周りと比べる機会というのが極端に少なかったせいか、異性愛が普通という感覚があまりなく、男性同士、女性同士が付き合ったり結婚を求めたりすることをおかしいと感じることはなかったです。ただ上京してから、ゲイやレズビアン、トランスジェンダーなどを総称して「LGBT」という言葉で括られていることに違和感を覚えて。
「人が人を好きになることに違いなんてある?」みたいな。今は、LGBTに対する認知や理解をより広めるために必要な言葉という意味合いで、メディアが使っているということは分かってはいるんですけど…当事者の方たちはどう感じているんだろうと思うことはあります。
新エイ熾゛:でもでも、異性との恋愛経験しかなかったり、周囲にセクシュアリティをオープンにしている当事者がいない人にとっては、やっぱり警戒してしまう気持ちもわかる気がするの。知らないって凄い怖いことだし、それが攻撃に繋がることも事実としてあるわけじゃない? そう考えると、分かりやすくカテゴリーするという段階は必要なことで、そこからLGBTについて知る機会が増える社会に繋がることが理想的だなと思います。そういう意味では、Z世代のあたしたちが頑張りどきなのかもしれないよ。
高山大輝:LGBTの存在が当たり前になる段階を作っているのが今ってことね。何十年、何百年かかるか分からないけど、僕たち含め、これまで世間一般が求めてきた「らしさ」から解放された存在が、今度は「自分らしさ」の大切さを作り上げる担い手として頑張っていける時代になったら最高じゃない? 今日もパール首から垂れ下げて取材をしていただいているけれど、一昔前までウィメンズアイテムという印象が強かったものだから、ファッションという面から見たら新たな時代を開拓してる気がする(笑)。
ーー最後にYouTubeのファンや読者の方にメッセージをお願いします。
新エイ熾゛:ブラックジョークをポジティブに受け止めてくれる懐の深さに感謝しています。こんなに好き勝手やっているあたしたちが生きる糧になっているとコメントしてくださる人も中にはいるのですが、こっちのセリフだよバカヤローって感じです。家族のように思っているのでこれからもよろしくお願いいたします。
高山大輝:正直、なんでこんなのに付いてきてんのって感じは否めない(笑)。本当に素のままだから刺激的なこともたくさん言ってしまうけれど、その中に愛を見出してくれてありがとう。こんな自由な生き方もあるんだってことをもっとたくさんの人に知ってほしいので、これからもごめあそ動画の無断転載布教活動をお願いいたします。
◆ごめんあそばせチャンネル
モデル活動をしていた高山大輝と、彼のファンだった新エイ熾゛による動画クリエイターユニット。インパクトの強い企画やテンポのあるトークで、多くのティーンから支持を受けている。最近ではアパレルブランドのモデルや高山個人がオーディション番組「ONE in a billion」に出演するなど、活躍の場を広げる。
>YouTube ごめんあそばせチャンネル
>高山大輝 Instagram@hirokick_
>新エイ熾゛Instagram@___osu12
写真/新井雄大
取材・インタビュー/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO