渋谷・ユーロライブで不定期で行われている岡俊彦さん主催による「はみ出し者映画」の特集上映企画『サム・フリークス』の第18回が、2022年6月4日(土)に開催される。この上映企画は2本立てとなっており、なかなか他の劇場ではお目にかかれない貴重な作品ばかりを特集。
今回はイギリス青春映画にスポットを当て、クラシックなゲイ映画『とても素敵なこと -初恋のフェアリーテール-』、シェーン・メドウズが『THIS IS ENGLAND』組を再起用して撮り上げた『サマーズ・タウン』を上映。また、今回のためだけに日本語字幕を翻訳したというオススメ作となっている。
ーーぜひこの機会に、少年たちの真っ直ぐな生き方・見つめる先を、感じ取ってみてはいかが?
なお、この上映は、有料入場者1名につき250円が虐待を受けたり貧困下にある子どもたちへの学習支援&自立支援として役立てられるとのこと。
●とても素敵なこと -初恋のフェアリーテール-
ストーリー/1990年代、ロンドン郊外の公営住宅に住む10代の少年2人のひと夏の恋と成長の物語。ジェイミーは、クラスメイトのスティに恋心を抱く。ある夜、スティは兄に暴力を振るわれたことで、ジェイミーの家に避難させられる。一緒のベッドで寝ることになった2人は……。
作品解説/後にサリー・ルーニー原作のTVシリーズ『ふつうの人々』も監督することになるヘティ・マクドナルドが手掛けたゲイ映画の金字塔。全編に渡ってママ・キャス(およびママス&パパス)の楽曲が大フィーチャーされており、彼女のポップ・ミュージック界におけるはみ出し者っぷりと、主人公達のそれが重ねて描かれているのが素晴らしい。『ロケットマン』でもエルトン・ジョンがママ・キャスの自宅を訪問するシーンが印象的だったが、あれからも分かるように彼女は「はみ出し者」たちを受け入れてくれるアイコニックな存在なのである。ちなみに、本作の共同製作者は『ケス』を含むケン・ローチの初期作品を支えたトニー・ガーネット。(主催:岡俊彦)
●サマーズ・タウン
ストーリー/ノッティンガム出身の家出少年・トモと、ポーランド人の少年・マレク。孤独な2人がロンドンで出会い、同じ女性に恋をし、泣いて笑って喧嘩もしながら友情を育んでいくハートウォーミング物語。四苦八苦しながら手探りで今を生きる少年たちの姿を描くーー。
作品解説/故郷を飛び出してきた身寄りのない少年と、友達のいないポーランド人の移民の少年の交流を描いた青春映画。シェーン・メドウズの前作『THIS IS ENGLAND』のやるせない後味とは対照的に、こちらは彼の優しさが素直に発揮されている味わい深い逸品だ。本作と同様にサッカーが重要なモチーフとなっている電車映画『明日へのチケット』のケン・ローチ編に通じる味わいもあり、シェーン・メドウズがケン・ローチやマイク・リーの正統な後継者であることを証明するような内容となっている。故ギャヴィン・クラークの手による挿入歌の数々も印象的。(主催:岡俊彦)
■サム・フリークス VOL.18
日時|2022年6月4日(土)14:00〜16:53
場所|ユーロライブ(東京都渋谷区丸山町1-5 KINOHOUSE 2F)
作品|(1本目)とても素敵なこと -初恋のフェアリーテール-/(2本目)サマーズ・タウン
料金|(前売り券)1374円/(当日券)1500円
※2本立て/入れ替えなし/整理番号制/全席自由席
https://peatix.com/event/1942101
記事制作/newTOKYO