さまざまな家族の生活や価値観を通して「家族とは何か」を改めて問い直す、ドキュメンタリーフィルム『うちのはなし』がLIFULL公式YouTubeチャンネルにて公開中。婚姻関係にありながら町内で別々に暮らす夫婦や、同性パートナーシップ制度を利用しているカップルら4組が登場している。
プロジェクトマネージャーの吉岡崇さんは、固定観念の外側に存在する家族の形を知ることこそ、互いに認め合える社会への一歩だと話す。
ーー自分が見えている範囲外に目を向けることが、多様な家族のあり方が認められる社会に近づく。
「あらゆるLIFEを、FULLに。」というコーポレートメッセージのもと、これまでジェンダーや年齢を題材に価値観、そして生き方の多様性を発信し続けてきました。
今回制作したドキュメンタリーフィルム第3弾『うちのはなし』は、コロナ禍で多様化が顕著に現れたコミュニティの一つ“家族”を題材として、それぞれの形、あり方を映し出したものになっています。
私自身結婚をして子どもがいる身で、その存在が仕事を頑張れる理由の一つにもなっていますが、一方でその繋がりに悩む人や不和が生じている人が多く存在しているのも事実です。
家族であったとしても、それぞれの価値観が違うのは当然のことなのに「家族はこうでなくちゃいけない」「家族は仲良くしないといけない」といった、固定観念に捉われ過ぎてしまっていることも原因の一つでしょう。
そういった経緯もあって、改めて家族との関係性や向き合い方を考え直す機会になればと思い『うちのはなし』の制作を進めていきました。
要は、家族のあり方にもグラデーションがあることを伝えたかったんです。
本作では三世代で暮らす農家や拡張家族をコンセプトにしたコミュニティー、町内別居という形で暮らす夫婦、そして同性パートナーシップを宣誓したカップルという4組の家族にフォーカスを当てています。
北区パートナーシップ宣誓制度を利用している大輔さんと健太さんの「家族の証を探して」では、区外へ引っ越す場合はパートナーシップを解消して、必要であれば再び転入先の自治体でパートナーシップの届け出をしないといけないといった現状が話されるシーンがあります。
この問題については制作を進めていく中で知ったのですが、異性同士であれば不要なことを同性同士では求められたり、手に入れられなかったり……。不十分な制度や理解の乏しさという壁を目の前に苦しむ人たちがもっといるのだろうなと、思いを馳せる瞬間が度々ありました。
本作は価値観のアップデートを強制するわけでも、正解を導き出してもらいたいわけでもありません。自分自身の想像を超えるような家族のあり方が世の中に溢れていていることを一人でも多くの人に知ってもらうことを重要視していて、これこそが互いを認め合う社会へ向かうために必要なステップだと考えています。
■うちのはなし/LIFULL
https://media.lifull.com/campaign_2022051908
写真・取材/芳賀たかし
取材協力/LIFULL PR 事務局
記事制作/newTOKYO