
恋愛や性交渉のことはいくらでも友達と話せるけど、プライベートゾーンに関係する性病や性機能となると、なかなか腹を割って話せる人って少なくない? MSM(男性間性交渉者)の場合、調べても中々求める答えに辿り着けない…ってこともあるし。
この連載では、プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友先生監修のもと、人に聞いてもパッと答えが分からないメンズの性のお悩みにフォーカス。第19回目はゴーゴーボーイのNAOさんと一緒に、ティッシュで拭いてポイっとしがちな精液から分かる健康状態について、アレコレ掘り下げる。

ーー出した精液、ポイッと捨てずに。たまには見て、嗅いでみて
出した精液を見たり嗅いだりするだけでも、健康状態が分かるって本当ですか?
全てが分かる訳ではありませんが、病気のサインが隠れている時があります。例えば、通常、射精で体外へ出された精液は10分ほどでサラサラになり、いわゆる“精液の液化”が起きます。しかし、時間が経過してもゼリー状の塊が残る「液化不全」という状態が見られた場合、感染などによる炎症が体内で起きている場合があります。
10分も精子を放置することはなかなか無いと思いますが…それで健康状態が分かるのであれば、たまにはやってみてもいいかもしれませんね!
禁欲時間が長かった場合も同様のことが起きるので、そこを考慮しながら実践してみるのもいいかもしれませんね。そのほかにも精液が生臭かったり、腐敗臭の匂いがしたり、血が混ざっているように赤かったりしたら、前立腺炎や性感染症に感染したサインかもしれません。
自ら進んで精液の匂いを嗅ぐには勇気が必要です…よね?
NAOさんの言うとおり、毎回嗅ぐのは気が引けると思います。プライベートケアクリニック東京のこちらのページでは、精液の色を全8色(白濁、緑、黄、橙、桃、赤、茶、黒)に分けて考えられる原因や症状をまとめているので、健康状態をチェックする際に参考にしてみてください!

ーー1回の射精に伴う精液量も、病気を見分けるサイン?
1回の射精量が極端に少なくなったり、多くなったりした場合、どのような病気や健康状態が考えられますか。
多い場合は問題ないと思いますが、元々少ない場合、もしくは過去よりも精液量が極端に減少した場合は逆行性射精という状態かもしれません。これは、精液が膀胱に逆流してしまう現象で射精感があるのに、精液が出てこないのもこの状態です。
逆行性射精…初めて聞きました。これは病気なのか、それとも何か他の病気のサインなのでしょうか?
逆行性射精の原因の多くは糖尿病であることがありますので、注意が必要です。また、AGAの治療薬や、前立腺肥大症の治療薬も精液量を減少させる原因となりますので、その点も頭に入れておくといいかもしれませんね。

ーー精子の質を良くするには、酸化ストレスの予防が大切
精液の色、量ときたら、質の観点からも先生からアドバイスが欲しいです!
精子の質を良くするためには、常識的な範囲での健康的な生活習慣を身につけること、コエンザイムQ10や、オメガ3脂肪酸といった酸化ストレスを予防する抗酸化療法をおすすめしています。これらは精液量、精液濃度、運動率、正常形態率など精子所見を改善することが報告されています。
思ったよりも手軽に出来ることが多くて意外でした!
35歳を過ぎると精液濃度、運動率、正常形態率が悪くなる傾向があり、それらが男性不妊症の原因にもなるので、特に子どもを授かりたいと思っている男性の方は覚えておきましょう! プライベートケアクリニック東京では予約なしで精液検査が出来ます。

■性トーク
プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友医師監修のもと、「人に聞きにくい」「調べてもパッとしない」メンズの性のお悩みにフォーカスする月2回更新の連載企画。4回ごとに異なるモデルを迎え、トークルーム風にアレコレ掘り下げていく。
■プライベートケアクリニック東京 (東京院・新宿院・名古屋栄)
性感染症の診療を専門家チームが丁寧に行うクリニック。皆さまを温かくお迎えし、PrEP/PEP・性感染症(性病)の適切な診断・治療を行います。女性・男性・LGBTQ+の方・パートナー同士でも受診することが可能です。
https://pcct.jp/
■小堀善友 医師
プライベートケアクリニック東京東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。
モデル/NAO
写真/JOE
デザイン/鈴木美結
企画・編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO
タイアップ・監修/プライベートケアクリニック東京