60代同性カップルが直面する「死後」の現実。映画「これからの私たち – All Shall Be Well」12月13日公開

香港で暮らす60代のレズビアンカップル、アンジーとパット。長年にわたり支え合いながら穏やかな日々を送ってきた二人だったが、パットの突然の死をきっかけに、その生活は一変する。葬儀や遺産をめぐる問題を通して、これまで良好だったパットの親族との関係に、徐々に溝が生まれていく…。

監督を務めたのは、「ソク・ソク」(2019)でゲイカップルの老後問題を描いたレイ・ヨン(楊曜愷)。本作でも、同性愛に対する偏見が根強く残る香港社会の現実を背景に、遺されたパートナーの法的地位や権利、家族間に生じる対立を丁寧に描き出す。同時に、深刻な住宅不足や経済格差といった、香港が抱える社会問題にも静かに光を当てている。

監督は本作について、「遺言を残さずに愛する人を失ったあと、遺された者が直面する不確かさや混乱は、誰にとっても他人事ではない」と語る。レズビアンカップルを主人公に据えながらも、その物語は特定のコミュニティに限らず、家族、悲しみ、そして“誰の関係が法的に守られるのか”という普遍的な問いへと広がっていく。

アンジー役を演じるのは、「ソク・ソク」で香港金像奨助演女優賞を受賞し、「星くずの片隅で」(2022)など話題作への出演が続くパトラ・アウ(區嘉雯)。パット役には、30年以上映画界から遠ざかっていたマギー・リー(李琳琳)を起用。母親役や祖母役といったイメージとは異なる、中性的で凛としたパット像を自然体で演じ、その存在感が物語に深みを与えている。

「これからの私たち – All Shall Be Wel」が突きつけるのは、愛し合って生きてきた時間よりも、血縁や制度が優先されてしまう現実だ。誰と人生を分かち合い、誰を「家族」と呼ぶのか。その問いは、スクリーンの外にいる私たち自身にも、静かに返されてくる。

なお、主演のパトラ・アウとレイ・ヨン監督による舞台挨拶が、12月13日(土)&14日(日)に東京(シアター・イメージフォーラム)、12月20日(土)に大阪(シネ・ヌーヴォ)で開催されることも決定している。作品に込められた思いや背景に直接触れられる貴重な機会として、ぜひ劇場に足を運んでみてはいかがだろうか。

■映画:これからの私たち – All Shall Be Well
2025年12月13日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公
配給:Foggy
©2023 Mise_en_Scene_filmproduction
https://movie.foggycinema.com/korekarano/


素材提供/株式会社フォギー
記事制作/newTOKYO

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