クローゼットからの脱出!映画「ダウントン・アビー/グランドフィナーレ」、ゲイ執事・バローさんの成長は見事!

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映像作品をご紹介するコラム
「まくのうちぃシネマ」第77回目


シリーズでもおつきあいでも、15年続くってすごいわよね。でも、はじまりあるものは終わりが必ずある……ということで、今回はTV版から数えて15年間続き、物語の世界線では約20年を描いた『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』!

登場キャラ多いし、シリーズ全部追っかけてないと変遷が分からないから、これ参考にしてちょうだい。あたしが書きました。
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https://otocoto.jp/column/downton_abbey_finale0116/

で、このコラムで取り上げる理由はただひとつ。
ロバート・ジェームズ=コリアーが演じているトーマス・バローのこと。前作『〜新たなる時代へ』で、ダウントン・アビーの使用人を辞め、ハリウッド俳優の付き人になったバローさんのフィナーレが非常によいのですよ。バローさん、ゲイなんだけど、20世紀初頭のイギリスでは同性愛は犯罪なので、アイデンティティを隠しまくってたのね。そうすると何が起きるか。

己の幸せ=仕事しかないので、使用人としての頂点に上り詰めようとするのよ。シゴデキなのはみんな認めるけど、冷徹で人情味なし。だってそうしないと、やれ「結婚はどうした?」だの「家庭を持たないのか?」だの親しみを込めて聞かれちゃって同性好きがバレちゃうから。やっぱアイデンティティの解放をしないと、誠実さに欠くのよね。っていう典型がバローさんだったの。

それが映画版1作目で王室務めのゲイと知り合い、2作目でこれまたゲイの俳優の付き人オファーをもらい、あれよあれよと大解放。

フィナーレでは、世界中を仕事で飛び回ってた彼が、客人として、そして元同僚としてダウントンに帰ってきて、これまでには全くなかった優しさと心の広さを見せるのよ。いわば20世紀初頭で可能な限りやってのけたクローゼットからの脱出。物語の世界線で約20年、よくぞここまで成長した! と言いたいわ〜。

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ
監督:サイモン・カーティス
出演:ヒュー・ボネヴィル、ジム・カーター、ミシェル・ドッカリー、ロバート・ジェームズ=コリアー、アレン・リーチ ほか
配給:ギャガ
公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
https://gaga.ne.jp/downton_abbey_the_grand_finale/

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96


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