10代の頃からコツコツと集めていたら、自分でも整理がつかなくなってしまったというチヒロックさんのコンドームコレクション。
優に数百種類はありそうなコンドーム、さてさてどうしたものか。このまま実家に眠らせておくのももったいないし、どうせだったら見てもらおう!!
ーーそんな感じで、某コンドーム専門店勤務でコンドームのエキスパートであるチヒロックさんに、コレクションの中でも特に思い入れが深いコンドームを解説してもらうこの企画。
第4回目は、HIV/エイズをはじめとしたセクシュアルヘルスの情報センターaktaから配布されている「aktaデリバリーヘルスプロジェクト」のコンドームでも見てく?
ケースの内側に書かれたメッセージは、
「HIVを持っている人も、そうじゃない人も。ぼくらはもう、いっしょに生きている。WE’RE ALREADY LIVING TOGER.」。
LGBTという言葉や認識が世間一般的に浸透する2003年から行われているakta主催のHIV/エイズ感染症予防の啓蒙活動の一環として、新宿二丁目を中心に無料配布されていたもので、現在もこの活動は続いています(詳細を調べると、2015年にはコンドームをみんなで作るクラファンが行われていた事実を知り「なぜ知らなかったの、私のバカ!」と、今非常に悔しい思いをしています。HPを覗いたらパッケージデザインがいっぱいあって、ゾクゾクしちゃいました)。
さて一方、2006年頃の私。大好きな親友ちゃんがいました。20代でようやく出会えた、女同士の最悪で最強な陰湿マウンティングや恨み妬みは一切なしの、大好きな親友ちゃんです。仲良しすぎて多い時は週4で遊び、親友ちゃんの彼氏には浮気相手だと疑われていました。転職も同時期にすることになり、親友ちゃんは新宿三丁目のドッグカフェ、私はコンドーム業界最前線に身を置き今日までおもちゃ箱にいるような日々を送っています。
ある日久しぶりに親友ちゃんと会うと「これ知ってる?同僚と二丁目に飲みに行った時に貰ったからあげる!」と、コンドームをくれました。それがコレ。
見たことがないコンドームへの興奮と一緒に「原宿のど真ん中、コンドーム業界の最前線にいるのになんで三丁目で働く親友ちゃんの方が、私が知らないコンドームに出会っているの!!」と、親友ちゃんに初めて抱く嫌な感情。自分でも、まさか大好きな親友ちゃんにコンドームで嫉妬するとは思ってもみなかったです。
まぁ、結局貰ったのだけど…貰えてすごく嬉しかったのだけど。私のために貰ってきてくれる親友ちゃんに愛と感謝しかないなかったのだけど。あぁいやだいやだ。女の腹の中って怖いわぁ。
【チヒロックのコンドーム通信簿】
デザイン:★★★★★
>>>外はFUNNY、中はCOOLなデザインがとても好き。
レアリティ:★★★★★
>>>ご当地コンドームとも言える一品。
セックスの時に使える感:★★★★★
>>>これを横目に「使わない」なんて言えない!
ゴムの特性:★★☆☆☆
>>>ジャパンメディカルのスタンダードタイプ。面白さより実用性。
思い出深さ:★★★★★
>>>色々な思いを込めて満点。
ーービビビッ!ときた“推しコンドーム”との出会いは、もっと楽しい、もっと気持ちいい、もっと安全なセックスライフの幕開け。「ゴムは無いほうが気持ちいい」は、単に自分に合っていないコンドームだからかもしれない。
性感染症の予防はもちろん、自分、そして相手の心の健康を守るためにコンドームを装着した、セーファーセックスを心がけてね♡
■チヒロック
某コンドーム専門店勤務。性教育に熱心な養護教諭の母の影響で、小学校低学年の時に初めてコンドームに触れる。10代からコンドームの収集を始め、コレクションの数は優に数百種類超え。現在の楽しみは、年に数種類しか発売されない国内生産、完全新作のコンドームを開封すること。
文・取材協力/チヒロック
編集/芳賀たかし 写真/新井雄大
記事制作/newTOKYO