チヒロックん家の、コンドームでも見てく? コレクションNo.7 グラマラスバタフライ

コンドーム収集家のチヒロックの顔

10代の頃からコツコツと集めていたら、自分でも整理がつかなくなってしまったというチヒロックさんのコンドームコレクション。
優に数百種類はありそうなコンドーム、さてさてどうしたものか。このまま実家に眠らせておくのももったいないし、どうせだったら見てもらおう!!

ーーそんな感じで、某コンドーム専門店勤務でコンドームのエキスパートであるチヒロックさんに、コレクションの中でも特に思い入れが深いコンドームを解説してもらうこの企画。

第7回目は、「先輩が財布に入れてたやつ」として記憶に刻まれている人も多いであろう「グラマラスバタフライ」のコンドームでも見てく?

コンドームマニアのチヒロックのグラマラスバタフライ

●グラマラスバタフライ/左から、ナチュラルモイスト・ナチュラルホット・メンソール0.03(ジェクス株式会社/現在販売終了)

「え? グラマラスバタフライ? ふつーに売ってるやつじゃん!」…ですよね。分かります分かります。だけど私にとっては、この「ふつー」のグラマラスバタフライは革命児! コンドーム界に革命を起こし、新たな方向性を見出したスゴいやつなのです!!

グラマラスバタフライといえば「初心者」「高校生」など、若い子向けの製品として見られがち。実際に購入者の傾向をみてもそんな感じだと思います。まずそこが、スゴい!! 何を買ったらいいか分からない初心者さんにとって、「先輩がバタフライ良いって言ってた」の情報は強烈です(若干の妄想入り)。

「初心者」や「若者」にここまで根付いたものは、歴代遡ってもなかったと思います。それに加え「彼女が好きそうな見た目」です。女子高生のアンケートを元に「女子狙い」で2007年に発売されたグラマラスバタフライですが、「女子高生を彼女に持つ男子」に見事に刺さり、「相手のことを考えてコンドームを選ぶ」という視点改革を起こしたのです!

「女性目線」の製品はバタフライ登場までも色々あったものの、それと言って目立つ製品ではありませんでした。パッケージは可愛くないし、終始3歩下がった控え目な存在…というか、女性がコンドームを選ぶ権利がなかったっていう感覚です。

しかしグラマラスバタフライが登場し、爆発的ヒット!! パッケージは箱だけではなく個包装にもデザイン性を欲されるようになり、装着感だけではなく「挿入感」に視点を置いたゼリーたっぷり系製品が次々と発売されます。

それによりコンドームは「一方が使うもの」ではなくなり、「隠すもの」でなくなりました。ありがとう、グラマラスバタフライ!! あなたのおかげで私、時代が変わる瞬間に立ち会えたよ!!(笑)

そして(おまけのようになってしまっていますが)今回のご紹介する製品も、グラマラスバタフライのスゴい一面。これだけ認知度があるのに、時々レアものを出して進化をやめません。「より女性に買いやすいように生理用品の売り場に置いてほしい」という思いで販売店と売場が限定されていたナチュラルモイストとナチュラルホット。

2011年~2013年に発売されていたメンソールゼリー付きは、夏にしか売っているのを見なかったため夏の風物詩として毎年購入していたのですが、実は通年販売だったそうです。なんか悔しいです!(笑)

どちらも販売は終了してしまっていますが、デザインにも手を抜かず、レギュラー商品のラインナップと被らない仕様(ゼリーの量や種類など)になっていて、「オリジナルカスタム感」があるところがとても◎。

打倒バタフライ! の精神で、可愛くておしゃれなコンドームがもっともっと世の中に登場して、世間的な認識にも、私のコンドーム欲的にも、これからもたくさん革命をもたらしてくれますように!!

【チヒロックのコンドーム通信簿】
デザイン:★★★★☆ 
>>>レギュラー商品のデザインも、実は時代に合わせて変更されてるんです!
レアリティ:★★☆☆☆
>>>知名度があるのでレア度は低め
セックスの時に使える感:★★★★☆
>>>メンソールゼリー、おすすめ!(笑)
ゴムの特性:★★☆☆☆
>>>ゼリー特化でコンドームはスタンダード
思い出深さ:★★★★☆
>>>夏季限定じゃなかったんだね

ーービビビッ!ときた“推しコンドーム”との出会いは、もっと楽しい、もっと気持ちいい、もっと安全なセックスライフの幕開け。「ゴムは無いほうが気持ちいい」は、単に自分に合っていないコンドームだからかもしれない。

性感染症の予防はもちろん、自分、そして相手の心の健康を守るためにコンドームを装着した、セーファーセックスを心がけてね♡

■チヒロック
某コンドーム専門店勤務。性教育に熱心な養護教諭の母の影響で、小学校低学年の時に初めてコンドームに触れる。10代からコンドームの収集を始め、コレクションの数は優に数百種類超え。現在の楽しみは、年に数種類しか発売されない国内生産、完全新作のコンドームを開封すること。

文・取材協力/チヒロック
編集/芳賀たかし 写真/新井雄大
記事制作/newTOKYO