部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!
さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。
第10回目は“Mr. Right”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!
ーー週末の夜、ジョーの自宅に集まる3人。話題は巷でウワサの男性同士の恋愛リアリティショー。
それにしても、ゲイ同士の恋愛リアリティショーを気軽に観られるなんて、な〜んか少しずつ変わってきてるよなぁ。知り合いが出てるっていう声もよく聞くし。
こういうの見てると、自分が出演したときを妄想しちゃうのよね〜。でも、結局「今後の仕事に繋げるには…」とか「こう振る舞ったほうが視聴者受けイイかも」とか考えちゃう私は、誰からも相手にされなそうだけど…。
あら、商魂逞しくていいんじゃない? 私だったら、「さすが個人事業主ねぇ」って関心しちゃうけど。今更だけど、ツバサはどんな人を好きになるの?
それは好きかどうかとはまた別の話でしょ〜。今のタイプはねぇ…あ、そうだ! ゲイ会話にぴったりのワードがあるから、今月は私が講師になってあげるわ!
【今月の一生に一度も使わない例文】
He is my Mr. Right.
「わたしのミスターライトはあなたです」…自分の右側にいる人を好きになっちゃうの?
なにそれ、おっかしいわね!(笑) ここでいう、Mr.Rightは「理想的な男性」「完璧な男性」とかそういうニュアンスを持つの。全体の意味としては「私の理想のタイプの男性(Mr.Right)は、彼だけです」となるわ。
使いやすい英語…というか、10回目にして日常的に使える英語をやっと教えてもらえたな。一生使わないどころか、息吐くように使えるじゃん。
あんたはバカねぇ〜。世界中のイケメンをスマホ一つで拝める2024年に生きていて、理想のタイプなんて1つに絞れるわけないんだから使えるはずないでしょ。ワタシはウソはつけない性分なのっ。
お〜〜〜。はじめてツバサから学びを得た気がする。
■プロフィール
ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。
ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。
ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。
イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO