その時の自分に素直に生きたい/ジブンヒストリー07/これまでの自分、これからの自分~ #HUE

“人生の選択に正解はない”。なんてことをたま~に見聞きするけれど、自分の選択が100%合っている、と胸を張って言える人は…そうそういないはず。ただ、正解・不正解は置いといて、今を楽しんで生きている人ってやっぱり素敵!「ジブンヒストリー」は、そんなエネルギッシュに生きる彼らの日常や歴史にフォーカスして、自分らしく生きるヒントを見つける企画♪

今回は柔道に大学での研究、ユニセックスの化粧品ブランドの開発など、アグレッシブに活動するHUEさんのジブンヒストリー。忙しなく過ぎる毎日だけどちょっと立ち止まり、彼の生き方を通して“これまでのジブン”を整理すれば、ワクワクするような“これからのジブン”像に出会えるかも。

――上海で幼少期を過ごしたHUEさん。SNSでの出会いをきっかけに、LGBTはテレビの中だけの存在ではなかったことに安心する一方で…。

幼少期を過ごしたのは、エネルギー溢れる上海。西洋と東洋の文化が融合した街並みを歩けば、日々新しい発見がある刺激的な都市でした。子どもの頃は大の勉強嫌いで、毎日のように幼稚園や学校で補習を受けていた記憶があります。そんな日々にうんざりして、先生の手を振り切って学校から逃げ出したこともありました…今思えばとにかくワガママな性格でしたね(笑)。

自分のセクシュアリティについて真剣に考え始めたのは、高校3年生の時。SNSを通して自分と同じような感覚を持つ同年代の人と知り合ったことがきっかけで、初めて「自分はゲイなのかもしれない」と意識しました。今思えば、それ以前から無意識に男の子のことを目で追ってしまったり、好意を抱いたりしたことはあるものの、それだけでは自分自身がゲイであるという自認には繋がることはなかったかもしれません。

テレビの中だけの存在だと思っていたLGBTの方たちがたくさん身近にいることに気づけたおかげで「自分は変ではない」と安心する気持ちの一方、「この先、独りぼっちなのかなぁ…」とか「両親に孫を見せれないかも…」など、将来のことを考えると今でも不安が尽きないのが正直な気持ちです。初恋は…心の底から大切にしたい、愛したいと思った人には出会えていないのでまだかもしれません。

いつかは家族にもオープンに出来ればという気持ちはありますが、それによって両親を傷つけてしまうんじゃないかという不安もないと言ったら嘘になります。何かきっかけがあれば話そうとは思いますが、今はまだその時ではなさそうです(笑)。

――大学に通いながら、ユニセックスコスメブランドを企画中のHUEさん。そんな彼の将来像は「その時に、なりたい自分でいられれば良い」。

将来やりたいこと…現在は大学で柔道に打ち込む日々ですが、それ以外にもやりたいことはたくさんありますね。ただ、自分がこうなっていたいという理想はなくて、その時に興味のあることにチャレンジできていれば良いかな。

今はユニセックスの化粧品ブランド『Supin Plus』を展開するための準備をしています。最近、目にするネットの情報や広告には矛盾を感じることが多く「本当に良いスキンケアって何なんだろう?」と思ったことが経緯としてはあって、一から化粧品の基礎などを学び、製作することに。 

来年からは大学院へ進学する予定で、パリオリンピックへ向けて柔道に打ち込める環境に身におきたいがゆえの選択でしたが、それだけではなく、大学で培った社会人類学の経験や知識を最大限に活かしLGBTにまつわる研究にも注力して、誰かの役に立てたら嬉しいです。

■ プロフィール
名前:HUE/年齢:22歳/誕生日:8月18日/職業:学生/身長:183cm/体重:95kg/出身地:東京都/最近ハマっていること:物件を見ること/好きな食べ物:生春巻き/好きな場所:南国/一度は訪れたい場所:南極

企画・取材・撮影/天野ヒカリ
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO