気づけば、立ち上げから5年目を迎えていた「newTOKYO」。「新しいことは、楽しいこと」をテーマに、LGBTQ+コミュニティの皆さんに協力を得ながら、これまで1,100を超える記事を発信してきました。
そこそこに記事もたまってきたことだし、連載やテーマ毎に記事をアーカイブして発信するのもアリじゃないか? と思い立った次第です。
今回は写真家の天野ヒカリさんが撮影したポートレートともに、これまでの自分を振り返ってもらう連載企画「ジブンヒストリー」をプレイバック。
ーー「ゲイだからって嫌いになるのはあり得ないだろ」と意外な言葉が返ってきて。
自分のセクシュアリティについて一番初めに話したのは、高校時代から仲の良いグループ。当時は「大親友から嫌われたら…」とドキドキが止まらなかったのですが、「お前はお前だし、ゲイだからって嫌いになるのはあり得ないだろ」と意外過ぎる反応が返ってきました。それから大学のサークルメンバーなどにも本当の自分を知って欲しくて、話をしました。
ただ、やっぱり両親への告白は特別な怖さがありましたね。打ち明けたのは両親と当時の彼氏の4人で、母の誕生日をお祝いするサプライズディナーでの席でした。食事の最後に「横にいる彼は僕の彼氏です。友達ではなく、僕の彼氏です。僕はゲイです」と告白しました。(他ポートレート3枚)
ーー義理の姉にSNSのアカウントが見つかってしまって…
「SNSでアカウント見つけたんやけど、これってショウやんな?」と兄の婚約者である義姉に言われた時は、ビクッとしましたが…(笑)。結果的にゲイであることを話すことになったんですけど、「自分の人生やしなぁ。楽しんでて良いやん!」とあっさりした言葉を聞いてスッと気持ちが軽くなったのを覚えています。
正直、どうなりたいかを考えるより先に今自分ができること、やるべきことはなんなのかを考えてしまうので理想の自分像みたいなものはありません。とにかく、色々なことにチャレンジする気持ちと一期一会の出会いを大切にして、人生を楽しみたいです。(他ポートレート3枚)
ーー彼女を紹介してきたように、彼氏も両親に紹介すると…。
初めて自身のセクシュアリティをオープンにした友達は、親友の女の子。なんでも話せる仲であるがゆえに小さな嘘を積み重ねていくことが次第に辛くなってきて、手紙を書きました。彼女は最初は戸惑ったそうですが「これからもよろしく」といった内容の手紙を返信してくれました。
両親は、僕が26歳の時に他界しました。いつかカミングアウトできたらいいなと思っていたのですが、あまりにも突然のことだったので話すチャンスすら与えられずという感じで…。母は僕がゲイだということを勘付いていたと思うのですが、最期まで聞いてくることはありませんでした。(他ポートレート3枚)
ーー「ジブンヒストリー」では全22回に渡り、ゲイ当事者へインタビュー。ピックアップした3人も含めて全7回に分けてアーカイブ予定なので、是非チェックしてみて。
写真・企画/天野ヒカリ
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO