【イマドキ男子企画】モトカレモノローグ ~アイテムから振り返る過去の恋愛~ #Rain「心の距離」

恋愛には想いが詰まった「モノ」がつきもの。喧嘩別れでも、前向きな別れでも、彼からもらったモノに罪はない。それを迷いなく捨てる人もいれば、何となくとっておく人、大切にしている人もいる。この企画は、幸いにもまだ元恋人からのプレゼントを手元に残している人へのインタビューを通して彼らの甘酸っぱい記憶に触れさせてもらい、ピュアな気持ちを取り戻すプチタイムトラベルへ出ることが目的。

今回はクールさの中にも無邪気な一面が垣間見える九州男児・Rain君の過去の恋愛にフォーカス。彼との思い出を淡く纏った思い出のアイテムを2つ教えてもらった。

◆◇◆北九州から博多までバイクで迎えに来てくれることもあったという彼と結ばれたのは、10回ほど重ねたデートの後

彼と出会ったのは共通の友人を介した三人での飲み会、初対面ではありましたが意気投合して二人きりで会うようになりました。10回ほどデートを重ねた後、電話で「ずっと付き合いたいと思っとるんよね」と告白をされ、2016年春に交際がスタート。

連絡がまめで、ちょっとでも普段と違う様子を見せれば「何かあった?」と声をかけてくれて、僕を知ってくれようとする気持ちが強かったと思います。もちろん、彼自身のことを僕に知って欲しいという気持ちから、その日あったことなどを積極的に話してくれていたので「何考えているか分からないなぁ」と思うことはなかったかな。裏表が無い、はっきりした人でした。

当初は僕が北九州、彼が博多に住んでいたため、決して近い距離での付き合いではありませんでしたが、僕が仕事を終えると博多からバイクで迎えに来てくれて、そのまま後ろに乗って彼の家へ折り返すなんてこともありましたね。当時は実家暮らしで地元の友人にも二人で遊んでいるところを見られたら説明が面倒だったので、基本的には博多で遊ぶことが多かったです。

そんな彼との一番の思い出は、交際三ヶ月記念で訪れた4泊5日の沖縄旅行。初めての沖縄、そして夏真っ盛りだったということもあって毎日のように海に行っていました。あの時ばかりは人生で一番日焼けしたかも(笑)。その他にも国際通りに地元グルメ…ビオスの丘という亜熱帯の大自然を堪能できるアクティビティスポットなども訪れ、一日一日があっという間に過ぎていきました。

◆◇◆最愛だった、彼とのモノローグは「蛍石のネックレス」と一年記念日にもらった「ワイングラス 」 

この蛍石のネックレスも、その沖縄旅行でもらったもの。美ら海水族館へ足を運んだ時に、「お揃いのもの欲しいな」とぼそっと話をしたんですけど、買ってくれる素振りはなく…。「こいつ、さっき言ったこと完全に忘れてるな…」と少し寂しい気持ちになっていたのですが、部屋に入ると内緒で買ってくれていた、このネックレスを手渡してくれました。僕が青が好きなことを覚えてくれていたゆえのセレクトだったので、余計に嬉しかったですね。

ただ、当時の気持ちがそのままネックレスに残っているのかと言われたら、話は別。引越しの際に段ボールに詰めたアクセサリーボックスにたまたま入っていたんです。さすがに着けはしないですけど、捨てるのもなんだしと気まぐれで残しています。

付き合って一年目の記念日でもらったペアのワイングラスは、彼と僕の似顔絵がそれぞれデザインされたもの。正直いうと、あまりお酒は強いとは言えないのですが、この時ばかりは記念日ということもあり、セットで用意してくれた白ワインでお祝いしつつ、彼の家でゆっくりと過ごしました。

ただ、その時もやっぱりお酒を美味しいと感じることはなかったですね(笑)。

◆◇◆「愛してくれているのは伝わっていたけど、同棲を始めてから一人の時間が無いことに疲れていた自分もいて…」

「こまめな性格」というのが付き合いが長くなるに連れて、だんだん束縛や依存に近い形へと変化していきました。付き合って一年が過ぎた頃、博多で2LDKの部屋を借りて同棲を始めたのですが、職場も近く退勤時間が重なる日はほとんどと言って良いほど二人で帰宅、僕がシフト制のお仕事をしていたこともあって休日は彼に合わせ、お風呂も一緒、自室もないため寝る時も一緒という一人の時間がないことがだんだん苦痛になってきて。彼に相談をしたものの、中々聞く耳を持ってくれませんでした。亭主関白な性格で嫉妬=愛の大きさのような解釈をしていた節もあって、とにかく僕が第三者と会うことも快く思っていなかったと思います。

二人でゲイバーなどへ行くこともありましたが、素面の時に抑えられる感情もお酒が入ると抑えられない人で周囲にお客さんがいても露骨に不機嫌な態度を出すだけでなく、スタッフさんにも失礼な言動をとり、終いには家に帰っても物に当たったりと…たくさんの人に迷惑をかけてしまいました。一度ならまだしも、同じことを何度も繰り返すことに耐えられず2018年、僕から別れようと話しました。僕を愛していてくれたことも十分、分かってはいましたが、彼が示す愛の形は僕が思い描くものとは異なり、全てを受け入れることはできませんでした。

東京へ引っ越してきて間もない中、もし付き合いたいと思える人に出会えたらお互いのプライベートを優先的に考えられる関係を築けたらと思っています。計画的なデートも楽しいとは思いますが、何でもない日にふらっと会って夜の都内を、時折、手を繋いだりしながら散歩とかも憧れています。あ、夏のドライブとかも、きっと気持ち良いですよね。今の自分には、何気ない一日一日を大切にできる人が合っているのかなと思っています。

■ プロフィール
名前:Rain/年齢:25歳/誕生日:10月4日/身長:163cm/体重:50kg/出身地:福岡県/休日の過ごし方:自宅で友達と映画鑑賞/好きなタイプ:高身長/ポジション:ウケ/今まで付き合った人数:6人/今、気になっている人:いない/最近、胸キュンしたこと:ガタイの良いお兄さんにハグされたこと

取材・インタビュー/芳賀たかし
撮影/新井雄大
記事制作/newTOKYO

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福岡にてダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)社会の実現を目的としたNPO法人『Rainbow Soup』発足をはじめ、企業のLGBTs施策支援に取り組むNPO法人スタッフなどを通じてアライな社会を目指し、献身的に活動してきた五十嵐ゆりさん。企業へのSOGIE/LGBTs研修・セミナーやコンサルティングを軸とした『レインボーノッツ合同会社』を東京で設立したのは2018年だった。 2020… もっと読む »

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