“クィアの美意識は単なる欲望の表現ではない”アーティスト、ネルソン・ホーの個展が12月6日から新宿で開催!

14歳で自身がゲイであることを公表して以来、個人的な経験や葛藤を作品に昇華し、鑑賞者に新たな気づきを投げかけてきたアーティスト、ネルソン・ホー。そんな彼の個展「鏡中花、水中月 – A Mere Reflection of Flower and Moon」が、2025年12月6日(土)~27日(土)にかけて新宿・√K Contemporaryで開催される。

多摩美術大学絵画学科日本画専攻の出身であるネルソンは、岩絵具から陶、写真、インスタレーションに至るまで多彩な素材を縦横無尽に扱い、LGBTQやメンタルヘルスといった現代社会のテーマを詩情豊かな表現へと昇華してきた作家だ。

「イスラム宗教色の強いマレーシアに育ったゲイの私にとって、美は宗教に代わるものでした。」と彼は語る。本展ではその言葉の背景にある個人的な内世界を入り口に、宗教的価値観の強い環境で生きるLGBTQの人々にとって、美がどのように精神の拠り所となり得るのかを探る。

会場には、新作ペインティングや立体、インスタレーションに加え、イサム・ノグチ、水之江忠臣、柳宗理といった戦後日本のデザイン史を代表する作家の家具を配置。日常に寄り添う機能美あふれる家具とネルソンの作品が共存することで、空間全体が“クィアの聖域”として再構築される。そこで立ち上がるのは、「美=生き抜くための必需品」という新たな視座だ。

さらに会期中には、アーティゾン美術館学芸員・内海潤也氏によるギャラリートーク、AndromedaとNixie Humidityによるドラァグクイーン・パフォーマンスも開催予定。作品世界を多角的に体験できるプログラムが用意されている。

今回の個展に寄せてネルソンは、「美は贅沢品ではなく、クィアが厳しい現実を生き抜くための“精神的サバイバルの必需品”として、性や背景を問わず、残酷な現代を生きるすべての人の心に共鳴できたらと思います。」と語っている。

ネルソン・ホー
鏡中花、水中月 – A Mere Reflection of Flower and Moon
会期|2025年12月6日(土)〜12月27日(土)13:00–19:00 ※日・月 休廊日
会場|√K Contemporary
https://root-k.jp/exhibitions/nelson-hor_2025/

記事制作/newTOKYO

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