コロナ禍の中、リモートで復活!! 新宿二丁目版シンデレラ、朗読劇「酒かぶり姫 オンライン」

2019年7月、新宿二丁目を代表するクラブ、『AiSOTOPE LOUNGE』(アイソトープラウンジ)の7周年パーティーの出し物として一夜限りで上演された朗読劇『酒かぶり姫』。良い意味で波紋を呼んだこの演劇が、同社系列店舗自粛要請に伴う存続危機を乗り切る支援企画の一つとして、リモート朗読劇(動画)で再び上演されることが決まった。

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「おふざけを大真面目にやる」
それこそが新宿二丁目とそこで生計を立てているゲイたちの粋なところであり、可笑しみなのではないだろうかーー。
アイソトープラウンジ7周年パーティーのテーマが「グリム童話」だったことから、グリム童話『灰かぶり姫(シンデレラ)』をモチーフとしたパロディ演劇をパーティー中にお披露目しようというのが、『酒かぶり姫』制作の発端。

そこで働くスタッフと普段はイベントでショウを行っているドラァグクイーンたちが体当たりで演技に挑戦する、というだけで十分意外性があったが、そこに総指揮を務めるプロデューサーに若林佑真、作品の鍵を握るOG(オゥジー)役に元『SECRET GUYZ』の諭吉というFTMトランスジェンダー(女性→男性)が参加。脚本、演出には演劇界で頭角をあらわすストレート男性陣が関わっており、クルー全体がすでにダイバーシティの様相なのである。

ストーリーや演出はパロディとは言え、『灰かぶり姫』を踏襲しつつ完全オリジナルだ。
舞台は新宿二丁目、新進気鋭のドラァグクイーン、プリズムが演じる主役・酒かぶりも、ゲイバーで働く地味でグズな新人女装という役柄。そんな酒かぶりを中心に繰り広げられる、笑いあり、涙あり(?)のシンデレラストーリー。

成長していく酒かぶりの姿は、新宿二丁目に生きる人たちはもちろん、なかなか自分の殻を破れず、「自分らしさとは?」と問い続けているあらゆる人たちが投影して観ることができるはず。

そんな酒かぶり姫が、ホームであるアイソトープラウンジの力になるため、リモートという手段を使って帰ってきた!? 会議アプリ・ZOOMを活用して収録を行い、リモートだからこその演出や編集を加えて、新たなリメイク作品となっている。
昨年、生の『酒かぶり姫』を観劇した人も、再度楽しめる作りになっているので、ぜひPCやスマホから全国どこからでも応援しましょう!

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■ 酒かぶり姫 オンライン
期間:2020年
6月3日(木)19:00 〜 6月7日(日)23:59
販売:2020年6月1日(月)12:00 〜 6月6日(土)20:00
視聴料:税込1300円(視聴時間47分)
■ 視聴チケットはこちら:PassMarket

出演:プリズム、諭吉、垣雅之、イズミ・セクシー、アロム、おばらたかき、順平/脚本・編集:ガクカワサキ/脚色:アロム/プロデュース:若林佑真(Pxxce Maker’)
SPECIAL THANKS:谷碧仁 (劇団時間制作)/AiSOTOPE LOUNGE店長おーいし/AiSOTOPE LOUNGE副店長岡崎/AiiRO CAFE店長のぞみ/ALAMAS CAFE店長 51LOW/AVANTGARDE TOKYO ママ アマゾネス・ダイアン/フラッシュアップ/吉本興業

企画:酒かぶり姫チーム
※視聴料による売上の一部は、AiSOTOPE LOUNGE系列店の運営維持費として役立てられます。

写真/チャム
記事制作/アロム(newTOKYO)