新しい価値観。贅沢すぎるパブリックトイレ。インクルーシブ社会をスタイリッシュに提案する「THE TOKYO TOILET」が映え映えの映え!?

片山正通、田村奈緒、安藤忠雄ら日本を代表する16人のクリエイターが参画する『THE TOKYO TOILET』。根強く残る渋谷区内の公共トイレへのネガティブなイメージを払拭することはもちろん、ジェンダーや年齢、障害の有無に関わらず誰もが快適に使用できる公共トイレを2021年夏までに区内17カ所に設置することを目標としたプロジェクトだ。

今回は、2020年9月16日時点で完成した7箇所のトイレをご紹介。無機質でスタイリッシュなものから360°ガラス張りの色っぽいデザインまで、建造物としても楽しめるものばかりだから、アート好きはもちろんニッチすぎる“トイレマニア”も必見よ♡

──尿意が吹っ飛ぶ造形美。名だたるクリエイターが生み出したおしゃトイレでしっぽりと用を足す私…ウン、素敵♡

はるのおがわコミュニティパークトイレ(代々木5-68-1)デザイン:坂茂

代々木深町小公園トイレ(富ヶ谷1-54-1)デザイン:坂茂 
公共トイレと言えば清潔かどうか、そして人が潜んでいないかなどが心配事として挙がることが多いようだけど、まずこのデザインなら前述した2つの心配をする必要はなさそう。ガラスは鍵を閉めると不透明になり半露出状態になることもなし(そっちの方が良いと言う人もいそうだけど!?)、夜には三色の美しい光を放ち公園の灯りとしても役割を果たす、逆転の発想がクールなトイレになっています。

恵比寿公園トイレ(恵比寿西 1-19-1)デザイン:片山正通、ワンダーウォール
日本におけるトイレの起源「川屋」をイメージし、木目調のデザインがあしらわれたコンクリートの壁を15枚いたずらに組み合わせたシンプルながら公園にフィットしたデザインに。壁と壁の間を男性用/女性用/だれでもトイレという3つの空間へのアプローチが、用を足すだけなのにワクワクしてしまう…! 

恵比寿東公園トイレ(恵比寿 1-2-16)/デザイン:槇文彦
子どもたちから通勤中の人々まで、多様な利用者に配慮し、施設ボリュームの分散配置によって視線を制御しながら、安全で快適な空間の創出を目指したと話す槇氏。軽やかな流曲線上の屋根は、明るく清潔な印象とともに、ユニークさもプラス。タコの遊具によって「タコ公園」と呼ばれる恵比寿東公園に、新しく生まれた「イカのトイレ」として親しまれることを願っているんだって♡

東三丁目公衆トイレ(東3-27-1)/デザイン:田村奈穂
線路沿いの日常的な風景とのコントラストが面白い真っ赤なトイレは、プライバシーと安全を重要視した田村氏が手掛けたもの。LGBTQ+の人々が自分の認識する性に正直に生きているというニューヨークで過ごす日々の中で、皆がありのままの「自分」を生きる姿を、ありのままを受け入れる社会を想像しながら突き詰めた結果、日本の贈り物文化のシンボル・折形からインスピレーションを受けたデザインになったのだとか。オシャレかつ、見ているだけで自信に満ち溢れてくるようなデザインは、撮影ロケーションとしても重宝されそうなほど映えに映えています…♡ 

西原一丁目公園トイレ(西原1-29-1)/デザイン:坂倉竹之助
従前の西原一丁目トイレの近寄りがたい雰囲気とは一転、グリーンとホワイトを基調とすることで明るく開放的な印象に! 公園全体を“あんどん”のような柔らかさと優しさで包み込む存在になることはもちろん、全てがオールジェンダートイレであることもトランスジェンダーの方には嬉しいポイントです♡

神宮通公園トイレ(神宮前6-22-8)/デザイン:安藤忠雄
神宮通公園の木々の緑の中にひっそりと佇む公共トイレ「あまやどり」。外壁には風と光を通すたて格子を採用することで抜け感と安心・安全を両立、また公共物という機能だけではなく都市施設としての意味、パブリックならではの価値を持たせいという思いから、屋根庇が大きくせりだすデザインに。

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トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴である一方、未だに本記事で紹介した以外の公共トイレのほとんどは暗い、汚い、臭い、怖いといった理由で利用者が限られているのが現状だ。

優れたデザイン・クリエイティブの力によって、よりインクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信する本プロジェクト。こんな綺麗な公共トイレが街中に溢れれば、トイレひいては人生において「自分の尻は自分で拭く」という心の醸成にも大きく貢献しそう♡

■ THE TOKYO TOILET 特設ウェブサイト
記事制作/newTOKYO

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