漫画家・田亀源五郎をリスペクト。ハード系ポルノ俳優Yoshi Kawasakiの生き方とその世界観。

──数年前から、海外で配信されている過激な内容の映像作品に出ているアジア人は誰?とゲイポルノ愛好者の中で話題になっていたポルノ俳優。その名は、Yoshi Kawasaki。

それまで日本ではまったく見る機会がなかった彼がいわゆる逆輸入という形で知られるようになったけれど、その素顔はまだあまり知られていない。
今回は彼の素顔に迫るべく、ポルノ俳優を目指したきっかけや今後目指す世界をうかがった。

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──ポルノ俳優になったきっかけを教えてください。

物心つく頃からゲイだと自覚はしていましたが、地元ではゲイ活動は一切してなかったんです。ですが、日本のゲイAVはもちろん見ていて、なんとなく出演してみたいなって憧れは確かにありました。
とにかく若かったので、まずはエッチしたいって気持ちと、人に見られたい、見られると興奮するだろうなっていう願望があって……。ただ、やっぱり親バレするのが怖くて、日本でAVに出演することはありませんでした。

20歳の時に語学留学でアメリカに渡り、イチから英語を勉強し直しました。それで、多少英語が話せるようになった頃にロンドンへ旅行に行ったんです。そのタイミングで「せっかくだから思い切ってAVに出ちゃおう」と思ったんですよね(笑)。
インターネットで検索したらマンチェスターにスタジオを持つ「UK HOT JOCKS」って言う会社を見つけて、履歴書を送ってみたんです。すると速攻でOKの返事が来て、あれよあれよという間に出演することになって。それが僕が22歳の時でした。

きっと日本人が、しかも20歳やそこらの若い人が応募してくるなんてないし、スタジオとしてはアジア人のポルノ俳優がほぼいなかったので、今思えば、珍しかったんでしょうね。

──初めて出演した作品はどうでしたか?

ストーリー性のあるもので、アジア系のマフィアのボス役をやりました。言葉がまだ堪能ではなかったんですが、むちゃくちゃ難しい台詞を言わされて。自分の中ではひどいもんでしたが、逆に下手なアクセントが良かったって言ってくださって。…とはいえ最終的には、ボスが犯されるってベタな展開でしたけどね(笑)。

だけどそれがスタジオからは評価され、その後の作品への出演ペースは早かったと思います。
次にヨーロッパ旅行に出て、バルセロナ、マドリード、パリ……と立ち寄った先々でスタジオを調べてはアポを取って撮影していきました。それなりに大変なこともありましたが、経験としてはとても楽しかったです。

──海外のポルノ撮影現場の印象を教えてください。

ヨーロッパでの撮影が多かったのですが、アメリカよりは規模は小さいです。「UK HOT JOCKS」は自分たちが住んでるスタジオでセットを変えてやりくりしていたり、さらに小さいスタジオは日本同様にホテルの一室を借りたりしてます。
スタッフの人数もスタジオによって違いますけど、大きなところは監督とカメラマン、音声の人がいて、3~4人のクルー程度でした。規模が小さいとモデル自身が監督したり、撮影もしたりして日本と変わらなかったりしますね。

アメリカの大きなところは監督もなぜか2~3人いたりしましたね。あと、メイクの人がいたりケータリンググループもちゃんといて、撮影も一日がかりで、楽しむとか快楽を得るというより、仕事って意識が強くて、リアルさはないけど、映画を作ってる雰囲気でしたね。
20代をそうやってあちこち放浪しながら撮影できたことは得難い経験ではあるし今にも繋がってます。

──今までの撮影で大変だったことはありましたか?

意欲だけはあったし、僕の性癖の根幹には、田亀源五郎先生の描かれた漫画があって……。若かりし頃、教本として凄くお世話になっていました(笑)。だから基本、快楽を求めることに抵抗はあまりなかったし、撮影も2~3ヶ月に1本という感じだったから大変なことって……あ、フィストファックを始めたばかりの頃、廃墟で撮った撮影は大変でした。

まだ春先で寒く水道も通ってない現場で、お尻の穴も縮こまって中々ほぐせなくて……。しかもまだ自分に合ったローションも知らなくて、結局、血だらけになっちゃったんです。ただフィストをやってる間は吊られた状態だったので、そのシチュエーションには興奮しちゃって。気持ちは良かったんですが、お尻の穴的には大変でしたね(笑)。

体力的にツラかったのは、今年のハロウィンシーズンに配信する作品ですね。全身銀粉まみれで撮影した内容なのですが、それはとにかくむちゃくちゃ疲れました。
初めて油と銀粉を練ったものを身体に塗ったのですが、毛穴という毛穴が埋められるので、汗も出せないし、体温調整もできないんですよ。でも意外と直腸には混ざらなかったんですよね(笑)。自分の中では、アナルローズまで銀色になることを期待してたんですけど、まぁでもお尻の穴の周りは銀色で、アナルローズ部分は真っ赤っかで、それはそれで綺麗だったんです(笑)。

──ポルノ俳優として今年で8年ということですが、今までを振り返ってみていかがですか?

これまでは、どこかのスタジオ専属モデルではなく、フリーランスとして、どこにでも出る感じでした。感覚的にもアルバイトのようなスタンスだったし、撮影もランダムかつフレキシブルで振り回されることも多々ありました。金銭面でも振り返りたくないエピソードも。
ただ、そういう経験も含め8年ほどやってきて、結果的に自分のレーベルサイトを立ち上げることに辿り着けたのは良かったかなと思います。

──映像作品はかなり激しめで攻めた内容が多いですが、身体のケアはどうしてますか?

3ヶ月に一回、必ずHIV検査はしてます。後はPrEP(暴露前予防投与)というHIVの予防薬を毎日飲んでます。一応、三日前から摂取していれば抗体ができるというもので、海外のポルノ俳優の間では必須薬となっています。
日本でも少しずつ知られるようになってはきましたが、現在服用している人あるいは検討している人に伝えたいのは、誤解して「これさえ飲んでおけば遊んでも大丈夫」って解釈は危険だし、ちゃんと薬に関してのエデュケーションは必要だと思います。

B型肝炎に関してはワクチンを接種。また他の性病はPrEPでも防げないので、その都度クリニックで調べてもらうように心がけています。

──最後に、これからの活動や展望を教えてください。

まず、自分のサイト[YoshiKawasakiXXX.com]を立ち上げたので、今はそれに力を注いでいきたいと思っています。

サイトを立ち上げた理由のひとつに、ポルノ俳優という仕事は、体のことを考えるとずっとできるものではないと思っていたので。これまでは自分自身が被写体となっていたけれど、僕が監督でカメラマンにもなって、他のモデルさんたちをピックアップしながら、Yoshi Kawasaki Presentsで、僕が出ていない映像作品を発信していきたいなと思っています。
また、例えばシャワ浣などセックスに関する情報を踏まえた映像作品も発信できたらなと……。色々自分のサイトでできる可能性を探っているところでもあります。
それと日本の方に外国人の良さを伝えたいってのもありますね。サイトがアメリカベースなので、外国人にも日本人の魅力を伝えたいし、日本人にも、白人、黒人、ラティーノなどグローバルな男たちも良いんだぜってのを知ってもらえたらと。

個人的な展望としては、フェティシズムの世界をもっと探求していきたいと思っています。
その中でも今求めていきたい快楽は、ダブルフィスト。どうせなら肘まで呑み込みたい!深さへの挑戦をしていきたいです(笑)。
それと究極のフェティシズムかもしれないですが、Mpregという、シリコンでできた胎児を産むというプレイも。その胎児はすでに買ってあるので、いつか病院のセットを借りて撮影してみたいんですよね。

最後に、敬愛する田亀源五郎先生に、何かしらでモデルとして呼んでいただきたいのが本当に夢です。
田亀先生の描く世界に見合うようにしっかり精進していきたいと思います。

◆ Yoshi Kawasaki
ヨーロッパを中心に活動するポルノ俳優。UK HOT JOCKS、fuckermate等、ヨーロッパの多くのスタジオと仕事をしながら、Darklands、HardOnといった有名クラブイベントでのライブセックスショーにも出演。現在は自分自身のレーベルにて監督兼ビデオモデルとして活躍中。
YoshiKawasakiXXX.com

インタビュー・取材/仲谷暢之
Photo by Kii Chan Instagram@kiichan023
5th / Cho Byeong-uk ©︎2021″trailer zine”
3rd / Photo by UK HOT JOCKS ©︎2014-2017
記事制作/newTOKYO