
マテル社は1月12⽇、初となる⾃閉症者(以下、当事者)をモデルにしたバービー⼈形を発表した。
このバービーは、騒⾳などによる感覚過負荷を和らげるためのピンクのヘッドフォンを⾝につけ、⽚⼿にはストレス解消⽤のハンドスピナー、もう⼀⽅の⼿には、⾔葉以外の⼿段でコミュニケーションを助けるAAC(拡⼤・代替コミュニケーション)装置を象徴するピンクのタブレットを持っている。
紫⾊のストライプ柄のドレスは、ゆったりとした⾝幅の半袖デザインだ。⼀部の当事者が、肌に触れる刺激を最⼩限に抑える⾐服を好むとされる感覚過敏の特性が、さりげなく反映されている。また、彼⼥の視線は正⾯ではなく、やや横に向けられている。これは、⼀部の当事者が他者と⽬を合わせることを負担に感じるという特性を表現したものだ。
バービーは1959年に発売されて以来、「⽩⼈で、ブロンドで、スリム」という特定のビューティースタンダードを象徴する存在として君臨してきた。⼀⽅で、それは多様な⼈々が存在する社会において、限られた理想像を神格化してきたとして、⻑年批判の対象でもあった。マテル社はそうした批判と向き合い、1968年には⿊⼈のバービー⼈形を発売。以降、肌の⾊や体型、ヘアスタイルの多様化が進み、2010年代半ばからはその動きが加速した。⾞椅⼦に乗るバービーや義⾜を着⽤したバービーなど、外⾒から分かりやすい障害を反映した製品も登場している。
⾃閉症バービーはその延⻑線上にありながら、少し異なる意味を持つ。それは、⾃閉症の特性が外⾒からは分かりにくいという点にある。「外からは⾒えない」「説明しなければ理解されにくい」といった特性を、このバービーは⽇常の所作や持ち物を通して可視化しようとしている。
もちろん、⾃閉症の特性は⼀様ではなく、⼀⼈ひとりにグラデーションがある。その複雑さを、ひとつの⼈形で表現しきることはできないだろう。それでも、「⾒えない特性」が存在していることを、これまでロールモデルとして存在してきた「バービー⼈形」で⽰す意義は⼩さくない。
■⾃閉症のバービー/マテル社
https://mattel.co.jp/toys/barbie/
記事制作/newTOKYO









