“カワイイ”を世に贈り続けてきたカワイイ文化の先駆者・内藤ルネの男性画を集めた初の作品集『BOYS IN LOVE 恋する男たち』が、7月21日(木)に光文社から発売される。
今では日本のティーンエイジャーの女の子の間だけでなく、世界中で通じる「カワイイ」。昭和30年代に内藤ルネによって創り出された“明るく元気な女の子・ルネガール”は大きな反響を呼び、ファッション、インテリア、ファンシーグッズなど数多くの分野における一大ブームの火付け役ともなった。
そんな彼だが、実は1984年から14年間、ゲイ雑誌「薔薇族」の表紙を描き続けてきたことでも知られている。彼が亡くなってから15年、そして生誕90年記念の今年、ゲイ色溢れる「裏ルネ」と呼ばれてきた作品たちが、一冊の作品集となって日の目を浴びる。
この作品集には、「薔薇族」の表紙を飾った健康的な明るい男の子“ルネ・ボーイズ”、独自の感性で描いた幻想的な青年たちなどをテーマごとに紹介。
ノートの切れっ端に走り描きした未発表のものまで約100点以上の作品が収録され、1980年~90年代に描かれたルネ・ボーイズのファッションや色使いは、当時はもちろん今の時代でも色褪せることがなく、ファッションの視点からでも楽しむことができる。
また、誌面後半では、世界的ファションデザイナーのコシノジュンコさん、キュレーターの米原康正さん、お笑いタレントのヒコロヒーさんのインタビューも収録された、ボリュームたっぷりな一冊に。
今作に向けて、キュレーターの米原康正氏は、
以下のようにコメント。
同性愛というだけで後ろ指を刺されるような時代に内藤ルネは堂々と自分の「あり方」を発表し表現していました。その「あり方」とは何者にも囚われることのない人間の「本質」です。自分がいいと思っているものを正直にいいという、それだけのことです。
ところがそれだけのことを時代は許してこなかった。「カワイイ」文化が好きなことと、「カワイイ」男子が好きなこととは全く別なことだと考えられていたのです。どちらも内藤ルネが表現する愛しいものたち、「カワイイ」存在であり、そこに発せられるメッセージに違いなどあるはずがないのに。
2022年、LGBTQや多様性という言葉が浸透し、“裏”内藤ルネは実は裏な存在ではなく内藤ルネそのものである、と当たり前な価値観で内藤ルネの作品を紹介できることを嬉しく思います。「人間の本質は色褪せない」そのことに気づかされる一冊です。
カワイイを生み出す傍らで、描き続けた男性たちにはルネ自身の「夢」や「思い」「憧れ」が詰まっている。ルネの脳内を覗いてしまったような気持ちになれる一冊、ぜひゲイコミュニティにも多大な影響を与え続けた作品に触れてみてはいかがだろうか?
なお、今回の作品集発売に合わせ、7月21日(木)からの4日間、内藤ルネEXHIBITION『BOYS IN LOVE~それを人は薔薇族と呼んだ~』が原宿・WAG Galleryにて開催される。
今作では過去の展示作品も含め「薔薇族」の表紙画、男性画の代表作を新たに展示。過去最大の男性画作品展となるので、この機会にぜひ。
■BOYS IN LOVE 恋する男たち/内藤ルネ
2022年7月21日(木)発売/税込3080円
四六判ソフトカバー/160ページ(シール付き)
■内藤ルネEXHIBITION/BOYS IN LOVE ~それを人は薔薇族と呼んだ~
会期|2022年7月21日(木)~24日(日)
時間|13:00~20:00[入場無料]
会場|WAG Gallery(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-26-28 JUNK YARD 3F)
https://www.naitou-rune.jp
https://www.instagram.com/runenaito_official/
記事制作/newTOKYO