“全女”に熱狂した80年代日本の匂いがムンッムン沸き立つNetflixドラマ「極悪女王」。唐田えりか&剛力彩芽演じるクラッシュ・ギャルズにも注目よ!

LGBTQ映画を扱うゲイの映画ライターによるコラム連載

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映像作品をご紹介するコラム
「まくのうちぃシネマ」第61回目

女子プロレス好きなゲイって多いですよね〜。大昔は当たり前にTVで放映していたから、一定以上の世代はビューティ・ペアかクラッシュ・ギャルズ、マッハ文朱、ミミ荻原などのアイドルレスラーにハマり、対峙するヒールにさらにハマるという構図がございました。デビル雅美にブル中野、北斗晶……そしてダンプ松本! やばい、熱くなりそうなので、作品紹介に。今回紹介するのはNetflixオリジナルの『極悪女王』。ダンプ松本さんの伝記ドラマです。

ダンプさんが松本香時代、父親のDVで崩壊寸前の家庭で逃げ場にしていたのが、ビューティ・ペアの活躍。憧れからプロレス界へ入るものの全く芽が出ず、おまけにビューティ・ペアが引退してからの女子プロ人気は下火に。そのさなか、同僚の長与千種とライオネス飛鳥がクラッシュ・ギャルズとしてジワジワとブレイクし、さらに焦る松本香はヒール役「ダンプ松本」として路線変更することに……。もーね……、あのときの熱狂そのままなのよ。しかも、こんなことあったの!? という裏話てんこもり。ブームのバックストーリー、ダンプ松本が生まれた理由、当時のプロレス界とメディアの関係など、もりもりに盛り込まれてますの。

で、特にすごいのがクラッシュ・ギャルズ。いや、ゆりやんさんのダンプもすごいのよ! でも、驚いたのが唐田えりか&剛力彩芽によるクラッシュ・ギャルズ。大技も本人がキメてるし、なんせ背中が広いのなんの。どんだけトレーニングしたの、あなたたち……と思ったわ。
ジェンダー観が違う時代の話だけど、広い世代に観てもらいたいわ〜。ちなみに後楽園ホールでの観客エキストラ数は、Netflix日本コンテンツ史上最大(ほぼ、当時を知る女子プロファンですって)。

◆『極悪女王』
総監督:白石和彌
脚本:鈴木おさむ
出演:ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽 ほか
配信:Netflixにて9/19(木曜)独占配信

文/よしひろまさみち X@hannysroom
イラスト/野原くろ X@nohara96
記事制作/newTOKYO

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