一生に一度も使わないGAY会話 Lesson3.XYZ

一生に一度も使わないGAY会話

部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!

さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。

第3回目は“XYZ”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!

ーークリスマス営業終了後、ツバサのお店にてーー。

エー、ビー、シー、ディー、イー、エフ、ジー♪ フンフンフンフン、フン、フン、フン…っと♪(お店の窓を拭きながら)

今日はいつにも増してご機嫌だなぁ〜、ABCの歌なんて歌っちゃって。普段は掃除なんて滅多にしないのに、窓拭きまでして良いことでもあったのか?

アンタの隣に座ってたスーツリーマンの男の子、いたでしょ? 足開いて座るのが癖だったぽいんだけど、飲んでる間、ずっと社会の窓が開いてたのよ♡ 窓の外は“White Christmas”でしたとさ♡

し、白い下着を履いてたってことか…(羨ましい)! 俺も年越す前にちょっとしたラッキーを引き寄せられたらなぁ〜。

ーーニョキッ(カウンターの下から顔を出すニュー子)。

受け身でいると一生、ラッキーなんて引き寄せられないわよ〜。自分からアクションを起こさなくちゃ。ということで、今月の例文はこんな感じでどう?

上司の股間の前で息をする男性

【今月の一生に一度も使わない例文】
I told “my senpai ” to XYZ and decided to work on getting some air in to keep their balls fresh.

またまた、意外なところから登場するなぁ…この絵の感じからして使えそうにない英文ということだけは理解したぞ。あと地味に、俺がモデルになってるのも誤解が生じるからやめてくれ! …で、「XYZ」って、ツバサが歌ってたABCの歌につられちゃってるみたいだけど、英文として意味を成してるのか?

ニュー子:あら! 馴染み深いと思ってたけど、意外と知らないのね。「XYZ(Examine your zipper)=社会の窓開いてますよ」というスラングで、やんわり指摘するときに使うのよ。翻訳すると「私は「社会の窓が開いていますよ」と指摘して、先輩達の股間の空気を喚起する業務を取り入れることに決めましたという意味になるわ。

なかなか悪くない業務内容じゃない? それだったら昼職で働く選択肢も出てくるわね…。あ、ここで出てくる“senpai”ってあるでしょ? これは“片思い中の相手”っていうオタク界隈で使われるスラングらしいの。アニメが大好きなインバウンドのお客様から教えてもらったわ♡

ジョー:へぇ〜ツバサも詳しいのな…って、こんなんしたら即刻クビに決まってるだろ! いつになったらビジネスシーンで使える英語を教えてもられるのやら…。

■プロフィール
ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。

ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。

ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。

イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO