ーー気持ちのいいセックス、それとセットで大切にしたいのがHIV・梅毒検査。HIV感染症は、早期発見できれば日常生活にほぼ支障をきたすことなく生きられる時代になった。
コンドームを装着することで99%の確率でHIVウイルスの感染を防ぐことができるけれど…もしもナマでセックスをしてしまったり、不特定多数とカンケイを持ったりしている人は、匿名無料でHIV・梅毒検査が受けられる【東京都新宿東口検査・相談室】を定期的に訪れることをおすすめしたい。
ということで今回はたくみくん、としきくん、しかくんの3人と共に、若い人にこそ知ってほしい検査の大切さをお届けします。
ーーそういえば「定期的な検査を!」ってよく聞くけど、“定期的”ってどのぐらいなんだろー?
としき:よく聞くのは一年に一回だよね。ただ、彼氏がいないときは検査を受けていない期間だったり、セックスの内容だったりを振り返ってみて……気になれば行くって感じだった。今は彼氏がいるから性感染症のリスクは少ないけれど、それでも検査に行くことに越したことはなさそう。
しか:セーファーセックスでも数日~数週間後に体調を崩したら、郵送のHIV検査キットで検査するようにはしているかな。HIVウイルス感染の初期症状で風邪と似たような症状が出るっていうから、とりあえず心配になったらするって流れが多いかも。
たくみ:初めて検査を受けたのが20歳のとき。特に不安なことはなかったんだけど、ふらっ~と病院に入って検査を受けた記憶がある。ただ「定期的な検査が大切!」の定期的ってどのぐらいなのか、自分と同じようによく分かってない人も多いと思う。
ーー確かに。定期的な検査、そう一言で言われても一人ひとりのタイミングや性事情は様々。パートナーの有無やセックスの頻度、相手だって違うのに目安がイマイチ分からない…ってことで、城所先生!定期的な検査の「定期的」ってどのぐらいの期間なんですか???
城所先生:たくみくんのいう通り、定期的と言われてもイメージしにくいですよね。
アメリカ疾病予防管理センターが推奨している検査の受診頻度をもとにお話しすると、●不特定多数の人と頻繁にセックスをする場合は3ヶ月に一度、●決まったパートナー1人のみとしかセックスをしない場合は1年に一度、●どちらともいえない頻度・人数であればは6ヶ月に一度の頻度で検査を行うのが良いでしょう。
もちろん、しかくんのように気になる症状がある場合は、頻度に限らず検査を受けるようにしてください。正確な検査結果を知るためには、感染の可能性がある機会から、通常検査では60日以上、即日検査では90日以上たってから検査を受ける必要があります。ちなみに新宿東口検査・相談室では、通常検査が受けられます。
ーーこれであんしん!初めてのHIV・梅毒検査でもリラックスできるように。検査フローをおさらい!
●無料・匿名の予約・検査申込書記入
検査は完全予約制。電話もしくは24時間受付のウェブで予約をしたら、指定された日時に東京都新宿東口検査・相談室へ。
受付で予約番号を伝えたら、検査申込書を記入しつつセットで渡される番号札の番号が呼ばれるまで待とう。
●検査前ガイダンス・採血 ※梅毒も同時検査
看護師さんからHIV・梅毒検査についてのガイダンスを受けた後、採血。
このとき、少しでも不安や悩みがあったら遠慮なく相談してみること。初めての検査となると分からないことがあって当然だし、看護師さんはその専門のスペシャリストなので、きっと良いアドバイスをくれるよ。
●結果説明・アンケート
結果説明は原則、検査した翌週の同じ曜日・時間帯になるのでそのスケジュールも確保しておこう。
結果説明は医師と2人だけの個室で口頭で伝えられるため、診断書の発行はできないんだ(検査申込書の控えを紛失・忘れた場合は結果が聞けず、再度予約して後日検査となるから絶対に無くさないように)。
ーー陰性の場合はHIV感染症をはじめとする性感染症の予防相談、陽性の場合はHIV感染症の詳細説明や専門の医療機関紹介など陽性告知後相談を実施している。
検査したら終わり、ではなく充実したアフターケアも東京都新宿東口検査・相談室を頼りにしたいと思える理由の一つ。
ーー気になることを城所先生に聞いちゃおう! HIV予防にまつわるホットワードQ&Aタイム!
Q/しか:コロナにより、郵送のHIV検査キットを使用する人や宣伝するクリニックが目立つようになりましたが……やっぱり保健所や病院で検査をすべきですか?
A/城所先生:郵送の検査キットの場合、採血をはじめとする全ての検査工程を自身で行わなければなりません。
また、例え陰性であったとしても安心せず、自分のライフスタイルに見合った保健所や検査室などでの定期的な検査を推奨しています。
Q/としき:最近、PrEPという事前のHIV予防薬を服用している人が増えてきましたが、服用すれば、今後HIVや性感染症の検査を受ける必要がなくなるんですか?
A/城所先生:そういうわけではありません。HIVの感染予防に効果的であったとしても、他の性感染症を予防できるわけではないからです。すべての性感染症がキスで感染するわけではありませんが、梅毒は感染力が強く、キスでも感染する場合があります。
また、HIVポジティブであることを知らずにPrEPを服用してしまうと、抗HIV薬の効果が効きづらく治療が難しくなるリスクもあるので、服用を考えている場合は必ず事前に、そして継続的にHIV検査を受けるようにしてください。
ーーとまぁ、こんな感じでアレコレを質問しても丁寧に回答してくれるので安心して。匿名・無料ということもそうだけど長年ゲイコミュニティに頼りにされているのは、城所先生はじめ『東京都新宿東口検査・相談室』が徹底してゲイフレンドリーであることが、大きな理由の一つなんだ。
HIV感染症は早期発見をすれば日常生活にほとんど支障をきたすことなく生活することができる。
なぜなら、抗HIV薬を服用し続けることでHIVウイルスを限界検出以下の数値に抑えることができる、U=U(Undetectable=Untransmittableの略称)の状態を維持できるから。そしてU=Uであれば、セックスを通じてHIVウイルスを相手に感染させることはない。ただ、それは“早期発見をすることができたら”の話。
HIV感染後に病気を発症した状態を「AIDS(エイズ)」というのは習ったと思うけれど、そうなると医療費の自己負担が高額になってしまうんだ。そうならないためにも、定期的な検査が必要というわけ。
だからこそ、日常生活の中に「定期的なHIV検査を受ける」ことを取り入れてほしい。
ぜひ、初めての人も、久々の人もこの機会に自分の健康を見つめてみてはいかがだろうか?
■東京都新宿東口検査・相談室(HIV&梅毒検査)
>>>電話予約はこちら:03-6273-8512
(平日15:30~19:30/土日 13:00~16:30、祝日を除く)
>>>ウェブ予約はこちら
※1カ月前から予約を受け付けています。
※プライバシーの確保のため仕切り板のある1人掛けソファを導入しております。
■各種相談窓口・その他のHIV検査所サイト
>>>東京都HIV検査情報Web
>>>HIVマップ
>>>HIV検査・相談マップ
取材協力/東京都、東京都新宿東口検査・相談室、ぷれいす東京
モデル/たくみ・としき・しか
写真/新井雄大 取材・編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO
提供/東京都・東京都福祉保健局