気づけば、立ち上げから5年目を迎えていた「newTOKYO」。「新しいことは、楽しいこと」をテーマに、LGBTQ+コミュニティの皆さんに協力を得ながら、これまで1,100を超える記事を発信してきました。
そこそこに記事もたまってきたことだし、連載やテーマ毎に記事をアーカイブして発信するのもアリじゃないか? と思い立った次第です。
今回は写真家の天野ヒカリさんが撮影したポートレートともに、これまでの自分を振り返ってもらう連載企画「ジブンヒストリー」をプレイバック。
ーー親には今もセクシュアリティについては話すことはなく…。
初恋は同じ大学の別学部に所属していた先輩。周囲から「仲良過ぎて兄弟みたい」と言われるほど一緒にいたし、1つのベッドに2人で寝るなんてことも当たり前で。「もしかしたら先輩も僕のこと好きなのかな?」と思うこともありましたが、卒業してから自然に連絡を取らなくなりました。
それまでに女性の方ともお付き合いしてきましたが、キスができず傷つけてしまった申し訳ない気持ちと、自分がゲイであることに対する恐怖と葛藤でいっぱいいっぱいでした。親には今もセクシュアリティについては話していなくて、今後も話すつもりはありません。(他ポートレート3枚)
ーー母親の少し困ったような笑顔は、今でも鮮明に覚えてます。
初恋は学生時代で同じ部活のマドンナ的存在の女の子で、付き合ってはいたものの友人とAVの話をしたとき、僕だけ男優ばかり見ていることに気づいて「僕はおかしいのかな」と思い始めました。
それからしばらく経って、ゲイであることは家業の跡継ぎの話になった際、母親には話しました。結婚をするつもりはないと言った瞬間の母の少し困ったような笑顔は、今でも鮮明に覚えています。きっと驚いたしショックもあったと思いますが、僕の気持ちを察して優しく微笑んでくれたんだと思うと思わず泣いてしまいました(笑)。(他ポートレート3枚)
ーー母は泣きながら「付き合う相手の性別と関係なく、愛しているよ」と。
自分がゲイだと自覚してからは高校時代の友人には内容を整理して話ができましたが、家族に対しては父親との喧嘩の最中に感情に任せて思わず全てを打ち明ける流れに。幼い時から溜まっていた文化的違いからのプレッシャーや、国籍などのアイデンティティに関する葛藤の末に起きた出来事でした。
母は泣きながら「付き合う相手の性別と関係なく、愛しているよ」と言ってくれました。それを聞いて自分も大泣きしましたね。結構、ドラマチックなカミングアウトでした。(他ポートレート3枚)
ーー「ジブンヒストリー」では全22回に渡り、ゲイ当事者へインタビュー。ピックアップした3人も含めて全7回に分けてアーカイブ予定なので、是非チェックしてみて。
写真・企画/天野ヒカリ
編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO