LGBT向け求人サイトを運営する『株式会社JobRainbow』とセクシュアルウェルネスをサポートする『株式会社TENGA』によるLGBT向けオンラインキャリアアップスクール『PRIDE SCHOOL』が昨年に引き続き、2回目となる開講を迎えた。
今回は、ドキュメンタリーフィルム『息子のままで、女子になる』のサリー楓さんや動画クリエイターとして活躍する木本さん、実際に教員免許を持つドラァグクイーンの穴野をしるこさんらが新たに講師としてキャリア支援の講義を行う。
去年のPRIDE SCHOOLを振り返りながら今回の開講に対する思いをそれぞれ伺った。
ーー受講生24人が未来の自分を描き、ステップアップできるコミュニティを目指して
ーー昨年に引き続き2回目の開講となりましたが、今のお気持ちを教えてください。
星さん:PRIDE SCHOOL1期生が講義を通して大きく変わってくれたことが、今に繋がっていると思うと感慨深いです。
彼ら彼女らにとって意義のある時間を提供できていたこと、そしてTENGAさんと再びPRIDE SCHOOLを開講できることがとても嬉しいです。
ーー平山さん、みたらしさんは去年に引き続き講師を勤められますが、今回の講義で大切にしていきたいことはありますか?
平山さん:昨年同様、働き方をテーマにした講義を行いますが、自分らしさを大切にしながらも、その上でどのように他者、そして社会と向き合っていくのか。バランスが大切だと思っているので、その点を重要視して講義を進めていこうと考えています。
みたらしさん:第1回目は、ありがたいことに皆さんから頂いた多くの質問へ回答することで精一杯だったのですが、今回は受講生の方たちとの双方向性を大切にしてワークショップのような形の講義を思い描いています。
ジェンダーやセクシュアリティだけでなく、“自分らしさ”にもグラデーションがある。その点も共有しながら、メンタルヘルスや自分自身との向き合い方を一緒に考えていきたいです。
ーー木本さん、そしてサリーさんは初参加となりますが、PRIDE SCHOOLの講師というお話を頂いて、率直にどう感じましたか?
木本さん:カメラを見て話をすることは僕にとって日常的なことですが、今回は受講生の皆さんと顔を合わせながらお話しできるということでとっても楽しみにしています!
僕自身つい最近まで、というよりも現在進行形でセクシュアリティやジェンダーといった事に悩みを抱えている身ですが、「自分の強みってなんだろう」とか「LGBTQであることをプラスに捉えてできること」など、皆さんと前向きなキャリアプランを立てていけたら嬉しいです。
サリーさん:正直言うと、ドキッとしました。私自身100%、自分らしく働けているのかと問われたら「はい」とは言い切れませんし、そのような人物が講師をやっていいのかという気持ちはありました。ただ、“自分らしく”生きるためのスタートラインに立った受講生の方々とのコミュニケーションが、お互いにとって新しい学びをもたらすのではないかと思い、お引き受けしました。
人によって悩みや壁と思う物事は様々でしょうが、ここで見つけた課題について語り合えるプラットフォームを得られるということも大きな価値になると思っています。
ーー最後になりますが、西野さんは第2回PRIDE SCHOOLをどのようなものにしていきたいですか?
西野さん:前回のPRIDE SCHOOLは手探りではあったものの、回を重ねるごとに受講生の表情が明るくなっていくのが印象的で、今回の開講もとても楽しみしていました。ただ、PRIDE SCHOOLへの応募が定員以上にあるということは、同時にジェンダーやセクシュアリティについてフラットに話せる場所というのが、生活や会社において極端に少ないことの表れだとも考えています。
TENGAは“性を表通りに”というビジョンのもと、LGBTをはじめ様々なコミュニティへの支援を行っていますが、こういった取り組みを草の根運動的に継続し、課題提起をすることが社会へ変革をもたらすと信じています。その一歩となるように、まずは第2回PRIDE SCHOOLを受講生全員にとって実りのあるものになるよう、皆さんの気持ちを着々と見ながら運営・サポートをしていきたいと思っています。
ーードラァグクイーンの穴野をしる子さんは、星さんとの特別対談を通してドラッグクイーンとして活躍する今に至るまでの半生を振り返りながら、自分らしく働くとは何かを考える講義が予定されている。およそ一ヶ月半に渡って行われるPRIDE SCHOOL。最終日に受講生らがどのような表情でその日を迎えるのか、とても楽しみだ。
◆ PRIDE SCHOOL
◆ 株式会社JobRainbow
◆ 株式会社TENGA
取材・写真/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO