恋愛や性交渉のことはいくらでも友達と話せるけど、プライベートゾーンに関係する性病や性機能となると、なかなか腹を割って話せる人って少なくない? MSM(男性間性交渉者) の場合、調べても中々求める答えに辿り着けない…ってこともあるし。
この連載では、プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友先生監修のもと、人に聞いてもパッと答えが分からないメンズの性のお悩みにフォーカス。第4回目は「PrEP処方を安全に受けるための3つの検査って何?」というギモンから性感染症も含めて、アレコレ掘り下げる。
ーーPrEPの薬の処方を受ける前に。HIV、B型肝炎、腎機能検査が必要な理由
クリニックでPrEP処方を受ける前に、なんでHIV、B型肝炎、腎機能の3つを検査する必要があるんですか?
それぞれ、なぜ検査が必要なのか説明すると…
HIV検査:HIVに感染したままPrEPの薬を服用すると、薬剤耐性HIVウイルスができる可能性があるためです。 そのため陽性の場合は、PrEPの薬を処方することは出来ません。
B型肝炎検査:PrEPの薬の使用方法によっては、B型肝炎が悪化して重度の肝障害が発生する可能性があるためです。
腎機能検査:PrEPの副作用で腎機能が低下する可能性があり、あらかじめ腎機能を確認する必要があるためです。
腎機能検査と言われてもあまりイメージが湧かないんですけど…どのような検査なんですか?
クレアチニン・クリアランスという腎臓の働きを診る指標で評価します。腎機能は年齢を重ねるにつれ低下する可能性があり、PrEPの副作用の有無を確認するために必要な検査です。3つ全ての検査に問題が無くて初めて、PrEPの処方を受けることが出来ます。
ーー来院しなくても3つの検査は受けられる? プライベートケアクリニック東京のオンライン処方について教えて!
PrEPの処方ってまだまだ都市部のクリニックでしかやっていないイメージがあるんですけど…。HIVやB型肝炎、腎機能の検査をまとめて受けるには、やっぱり病院やクリニックに行かないとダメですか?
そんなことはありませんよ。当院ではオンライン処方を行う前にそれらの検査キットをお送りしています。検査キット返送先は登録衛生検査所1カ所で、検査に問題なければ次の診察で処方を受けられ、PrEPの薬を郵送する流れとなっています。
PrEPの薬を個人輸入したいと思っている人は、検査だけ受けるということは出来ますか?
可能ですが、当院では処方の料金の中に検査が含まれているので、その方が安全かつお得に薬を服用することができると思います。また、PrEPを安心して使用するためのガイドラインではHIVやB型肝炎、腎機能検査は必須としているので、そこだけは忘れないでください。
最後に…3つの検査を同時に受ける前の注意事項があれば教えてください!
これといって特別なことはありません。飲酒など常識的な範囲で病院の受診前にやってはいけないことは避けましょう。
#05は9月15日更新予定!
■性トーク
プライベートケアクリニック東京 東京院 院長 小堀善友医師監修のもと、「人に聞きにくい」「調べてもパッとしない」メンズの性のお悩みにフォーカスする月2回更新の連載企画。4回ごとに異なるモデルを迎え、トークルーム風にアレコレ掘り下げていく。
■プライベートケアクリニック東京 (東京院・新宿院)
性感染症の適切な診断・治療を行うクリニック。女性・男性・LGBTQ+の方・パートナー同士でも受診することが可能。性感染症の検査・治療はこちらから。
https://pcct.jp/std/
■小堀善友 医師
プライベートケアクリニック東京東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。
モデル/ケンチャナヨ
写真/JOE
デザイン/鈴木美結
企画・編集/芳賀たかし
記事制作/newTOKYO
タイアップ・監修/プライベートケアクリニック東京