自分の人生を歩み始めるために。Netflix映画「This is I」で、トランスウーマンの軌跡を。

映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映像作品をご紹介するコラム
「まくのうちぃシネマ」第78回目


みなさん、もうご覧になったかしら?
はるな愛さんのお若いころの実話をもとにしたNetflix映画『This is I』(ちなみに、原作ははるなさんの自伝『素晴らしき、この人生』と、ノンフィクション『ペニスカッター:性同一性障害を救った医師の物語』)。

これな、観ると分かるんだけど、自分の人生を歩み始めるにはアイデンティティの確立が必要、ってことと、『ブルーボーイ事件』でも問題化されたことが描かれているの。

前半パートは、はるなさんがアイドル(主に松田聖子)に憧れてショーパブの扉をノックして、思い切りミュージカル。それも聖子やプリプリ、チェッカーズなどなど、アラフィフの肉踊る原曲使用で。

さすが金持ちNetflix! ショーパブだって上下関係厳しい時代だったろうし、両親へのカミングアウトや初恋にまつわるエピソードなんて重くなりそうなもんだけど、ミュージカル仕立てのおかげで重めのメッセージがスルスル入ってくるのよね。

この演出素晴らしいわ(ちなみに監督は33歳なので、使用楽曲群がどんだけ流行ってたか知らない世代。噂によるとお母様がお好きな曲だそうです……世代よ)。

で、問題は後半パート。はるなさんほかトランスウーマンを数々救ってきた和田耕治先生の壮絶半生なんだけど、これがな……。松田先生のエピソードは、まんま『ブルーボーイ事件』の赤城先生なのよ。赤城先生の時代は60年代で、和田先生は80年代……って、20年経ってるのになんも変わってないじゃん!

なので、『ブルーボーイ事件』をご覧になった方はより解像度が上がり、未見の方には「なにそれ!?」という驚き。ぜひとも両作ご覧いただきたいわ〜。

Netflix映画/This is I
監督:松本優作
出演:望月春希、斎藤工、木村多江、千原せいじ、中村中、MEGUMI、星田英利、藤原紀香 ほか
配信:Netflixにて独占配信中
https://www.netflix.com/jp/title/81774276

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96


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