#国際カミングアウトデー LGBTの理解と認知を深め、自分の性について考える映画を3本ご紹介よん!

映画ライターのよしひろまさみちの映画レビュー

映画ライターのよしひろまさみちが、今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム「まくのうちぃシネマ」第14回目。

国際カミングアウトデー(10月11日)の直前に、某区議からのあきれた発言があって、プチ話題になりましたが、あれで心を痛めた人も多かったのでは? 見えるものすら見ないようにしている人がいることを改めないといかん時代よ。ということで、今回はカミングアウトにまつわる作品をワサッと紹介します〜。

* * * * *

よしひろまさみちの「梨泰院クラス」の映画レビュー

まずは今年4月にブレイクした『梨泰院クラス』。壮大な復讐劇の内容はともかくとして(セロイがめちゃかわいい)、注目は主人公セロイと共に居酒屋を大きくしようと働くヒョニね。物語後半で彼女はトランスジェンダーだってことが分かるんだけど、そこでの周囲の目よ。それまで名シェフ扱いしてた人たちが突然手のひら返し。怒りしかないわ〜…(注意:ここからネタバレですが、ヒョニさんテレビカメラの前でカミングアウトという痛快な展開が待ってます)。パーソナリティとセクシュアリティなんて全く関係ないことだし、色眼鏡でみてしまう人が今でも多いことは大問題よね。

また、名作『人生はビギナーズ』も観て。父ちゃん、晩年にしてゲイということをカミングアウト。息子よりもずっと自分らしく生きる楽しさを見つけて、最後にひと華咲かせちゃうというハッピーなお話です。勇気出るわよ〜。

よしひろまさみちの「ボーイズ・イン・ザ・バンド」の映画レビュー

あ、新作では『ボーイズ・イン・ザ・バンド』も必見。懐かしの名作『真夜中のパーティー』のリメイクでオリジナル版とほぼ同じなんだけど、今の役者がやってるだけでグッと今の人向けになってるから。カミングアウトと共に問題になるのが、打ち明けられた側のキャパってことが、めちゃ分かりやすく、そしてクィア全開で描かれてます。

いずれにしても、カミングアウトができる状況にある人は、カミングアウトすることで、それまでよりもずっと明るく楽しい人生が送れるってことが分かるわよ。メンタルがヘルシーになると、なにごともうまくいくのよね〜。もちろん、人によっては状況が許さないだろうから、皆が皆やるべきではないので無理はなさらず!

* * * * *

Netlflixオリジナル:梨泰院クラス
ストーリー/父の命を奪われたばかりか、理不尽なことで刑務所に入れられたことで、外食産業の巨大企業への復讐に燃えるセロイ。梨泰院で小さな居酒屋をオープンさせた彼は、仲間たちと共に再起を目指すが…。

監督:キム・ソンユン
出演:パク・ソジュン、キム・ダミ、ユ・ジェミョン 他
配信:Netflix独占配信中

映画:人生はビギナーズ
ストーリー/44年連れ添った妻を亡くし、自身もガン宣告を受けたハル。突然に彼は息子のオリヴァーにゲイであることを告白。残された人生を好きなように生きる宣言をされたオリヴァーは、臆病ゆえにうまくいかない自分の人生と父を重ね合わせるのだ。

監督:マイク・ミルズ
出演:クリストファー・プラマー、ユアン・マクレガー 他
配信:YouTubeレンタル、Amazon Prime Video(レンタル)他

Netlflix映画:ボーイズ・イン・ザ・バンド
ストーリー/マイケルのアパートで開かれる、ハロルドの誕生パーティー。じょじょに仲間が集まる中、マイケルの大学時代の友人アランが突然来訪。ホモフォビックで何も知らないアランを巻き込み、パーティーはカオスに。

監督:ジョー・マンテロ
出演:ジム・パーソンズ、マット・ボマー、ザッカリー・クイント 他
配信:Netflix独占配信中

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96