映画ライターのよしひろまさみちが、今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム「まくのうちぃシネマ」第17回目。
年が明けてもコロナ一色の毎日で、自由に旅に出る世の中になるのはいつになることやら……。
こういう時は、映像作品で異国の文化に触れるしかないわよね。ということで、みんな大好き台湾のゲイ映画をご紹介。Netflixで配信中の『君の心に刻んだ名前』よ!
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台湾のゲイムービーって、本当に良作ぞろいでしてね。Netflixだけでも、他に『先に愛した人』も傑作だし、古くは『ウェディング・バンケット』や『GF*BF』などなど。
青春&社会問題&刹那な恋の三つ巴系が多くてたまらんのですよ。今回配信開始された『君の心に刻んだ名前』もまさにそのタイプの傑作。
戒厳令解除されたばかりだけど、権力側の横暴もあったりする時代背景に、男子校が男女別学になるという時流。抑圧が強烈で、生徒同士の結束は高まるっていう設定ね。おまけに恋する男子二人がかわいいことったら……。そこに加えて吹奏楽部が舞台って、もうゲイのためのゲイ映画って感じ。
ちなみに後半は、中年になったアハンとバーディが異国で当時に思いを馳せるっていうシーンがあるんだけど、中年ゲイなら感涙ウルルよ。ええ。あたしもウルルでしたわ。
台湾に行きたいけど行けない〜!っていう今こそ、チェックしてね。
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Netflix映画:君の心に刻んだ名前
ストーリー/1988年。台中の男子校に通うアハンとバーディは、吹奏楽部で出会い、次第に惹かれ合っていく。だが、学校が女子学生を受け入れることになり、新入生のバンバンとバーディが交際を始めたことで、二人の間には微妙な溝が……。
監督:リウ・クァンフイ
出演:エドワード・チェン、ツェン・ジンホア、レオン・ダイ 他
配信:Netflixにて独占配信
文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96