映画ライターのよしひろまさみちが、今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム「まくのうちぃシネマ」第18回目。
今回は上映が始まったばかりの映画『ステージ・マザー』をご紹介しちゃうわ。あらゆる偏見を乗り越えてチャレンジするストーリーなんだけど、いやー、この作品、ベタだけど最高。当事者こそ観たほうが良い感動作ですわよ。
なんせ、主人公のメイベリンが、ドラァグクイーンたちの肝っ玉おっかぁになっていくくだりがとっても良いのよね。
息子に対して築くことができなかった、あらゆる家庭的なサムシングを、彼が遺したバーに務めるみんなとつながることでできるようになる、ってことだけじゃなく、彼女の偏った考え方がみるみる変わっていくというのも最高なの。
死をもって偏見を乗り越えるってところはちょっと古くさい演出、って言われそうだけど、それでも良いもんは良いわ〜。
血の繋がりじゃなく、ファミリーの母になるって、まるでドラァグクィーンカルチャーを描いた金字塔的ドラマ『POSE/ポーズ』とそっくりってところも、『POSE』を観てきた人なら入りやすい話かも。あら、見逃していらっしゃる方、こちらもぜひよ!
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映画:ステージ・マザー
ストーリー/サンフランシスコ、カストロ・ストリートで毎夜ドラァグショーを披露するバーの経営者リッキーが、オーバードーズで亡くなる。テキサスに暮らす彼の母メイベリンは、その報せを受けサンフランシスコへ向かうが……。
監督:トム・フィッツジェラルド
出演:ジャッキー・ウィーヴァー、マイア・テイラー 他
配信:2月26日より、TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー
文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96