映画ライターのよしひろまさみちが、
今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム
「まくのうちぃシネマ」第50回目
ディズニープラスには、オリジナル短編集がございましてな。以前このコラムでもちらっとご紹介したのは、「SPARKSHORTS」というシリーズの中で、ゲイのカミングアウトを題材にした「殻を破る」っていう作品。このシリーズはピクサー・アニメーション・スタジオのクリエイターが作ったもの。
で、その親会社のウォルト・ディズニー・スタジオのクリエイターが作った短編集もあるんですよ。それが「DISNEY LAUNCHPAD」。こちらは、思い切り若手クリエイターに限定した作品がズラリ。その中でキラリと輝く「リトル・プリン(セ)ス」は、LGBTQ+当事者がまっさきに観るべき短編です。
内容はググらずとも、本編観て。だって19分だもん。これねー、これまた以前紹介した『CLOSE/クロース』とかぶるのよ。振る舞いや言動、見た目などに偏見を持つのは大人ってこと。『CLOSE/クロース』の場合、子どもたちを教育してる親側に問題があったことで、仲良しの2人に悲劇が起きるって話だけど、これは短編だから子どもと大人の対比で偏見がいかにアホらしいもんか、ってことを描いてるの。
……フツーっていったいなんなのよ、当たり前ってなんなのよ、ってことを今一度考えないとね。だって、フツーも当たり前もわがままな尺度だから。あなたの「フツー」を人に押し付けないで、ってこと、この19分で理解できちゃうわよ。
■DISNEY LAUNCHPAD PRESENTS/リトル・プリン(セ)ス
ストーリー/バレエが大好きな7歳の中国人の少年ガブリエルと、同じ小学校に転入してきた中国人のロブは友だちに。しかし、ロブの父は、“女の子らしい”ガブリエルと自分の息子を仲良くさせたくない。その想いにガブリエルの両親は……?
監督:モキシー・ペン
出演:カロ・モス、チンイン・ライアン・フー ほか
配信:ディズニープラスにて独占配信中
文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96