ワンダーランドな社風のピクサーによるビバ多様性!素晴らしき哉人生!の「ソウルフル・ワールド」で感動よ★

映画ライターのよしひろまさみちの映画レビュー

映画ライターのよしひろまさみちが、今だからこそ観て欲しい映画をご紹介するコラム「まくのうちぃシネマ」第16回目。

今年5月にニュースになりましたね。ピクサー・アニメーション・スタジオ(ピクサー)で初めて、ゲイ男性を主人公にした短編『Out』がリリースされ、それをDisney+で配信開始ってお話(カミングアウトをテーマにしたハートフル短編よ)。
これを監督したスティーヴン・クレイ・ハンターさんは、ピクサーに長いこと務めているアニメーターなんだけど、お察しの通り彼もゲイ。いや、西海岸の大手企業で、セクシュアリティを隠すこと自体がナンセンス的なところは多分にありまして、珍しくもなんともないことなんですよ、これ。ただ、世界一斉配信、しかもディズニー傘下企業ということで大きな話題になっちゃったのよね。

よしひろまさみちの「ソウルフル・ワールド」の映画レビュー

さて、そんなピクサー。なにげにあたしはお仕事で10数回うかがってまして。その社風はよ〜く分かっているつもりです。最初に訪れた時から今の今まで変わらないのが、人種や年齢、見た目などは全く壁にならない、広く門戸を開いた会社だってことね。もちろん、クリエイターの場合、アニメーションや映像を作る才能を持っていることは最低条件ですが、日本でおじさん企業務めしたことのある人がピクサーを訪れると「ワンダーランド」なのよ。
ありとあらゆる文化や社会背景を持った人が集い、同じ目的に向かって意見を出しあい、多様な解釈ができるものを作り上げるのって、マジ健全。すごい。そりゃコンテンツは世界で売れるわ、って分かるわけです。

よしひろまさみちの「ソウルフル・ワールド」の映画レビュー

そんなピクサーの最新作は『ソウルフル・ワールド』。ジョン・ラセターのあとを継ぎ、ピクサーのCCOを務めるピート・ドクター監督作。
これまたビバ多様性!素晴らしき哉人生!ってお話で、大人が見ると嗚咽級の感動作になっております。『Out』とともにDisney+で観てね。

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映画:ソウルフル・ワールド
ストーリー/ジャズピアニストを夢見ながら、中学校の非常勤音楽教師を務めるジョーは、憧れのジャズクラブのステージに立つチャンスを得る。が、そんなときマンホールに落ちてしまい、迷い込んでしまったのは、魂たちが人間として生まれる準備をするソウルの世界。一刻も早く現実世界に戻りたいジョーは、人間になりたくない一心でその世界にとどまり続ける「22番」と出会い……。

監督:ピート・ドクター
出演:ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ、浜野謙太、川栄李奈 他
配信:12月25日よりDisney+にて独占配信

文/よしひろまさみち Twitter@hannysroom
イラスト/野原くろ Twitter@nohara96