一生に一度も使わないGAY会話25/“Rizz”な魅力術

部署異動により英会話能力の向上を余儀なくされた30代スーツリーマンのゲイ、ジョー。「英語への苦手意識を無くす」という目標を掲げ、アメリカへの留学経験があるドラァグクイーンのニュー子を頼ったものの、教えてくれるのは全く使う機会が無い英文ばかり!

さらにはインバウンド需要を見据えた友人でゲイバーのママであるツバサも加わり、月に一回の英会話教室は、たちまち井戸端会議状態に…。

第25回目はナンパスキルが向上する“Rizz”をキーワードに、生きた英語?を学んでいこう!

ーー週末の夜、ツバサの店にて。

この前、アメリカ人のインターンに「You have no rizz」って言われたんだよ。

あら、それは“口説きのうまさ”とか“カリスマ性”のこと。“charisma”から来てて、「色気ゼロね」って意味よ。

やだ、そんなの失礼じゃない? ジョーなんて全身タンクトップで筋肉自慢してるのに♡

外見だけじゃダメってことか…。じゃあ、rizzってどうやったら身につくんだ?

自信とユーモア、そして目の使い方かしらね。“He’s got mad rizz.” って言われるようになったら本物よ。 

【今月の一生に一度も使わない例文】
He tried to rizz me up with his broken Japanese.

“rizz me up”ってナンパするって意味?

そう。「彼はカタコトの日本語で私を口説こうとしたの」って感じね。

あら~♡ ワタシもrizzされたいわ~。

よし、今日から“Rizz Training”開始だ!

でもね、魅力は内側から滲み出るものよ♡

松本ゆうすの連載GAY会話の15回目

ジョー(T179 W85 35yo)
ゲイの鑑と言わんばかりな褐色肌の短髪黒髪ヒゲリーマン。本格的に英語必須なポジションに異動が決まり、本腰に。やめては入会を繰り返していた英会話教室に再び通い始め、ニュー子からもGAY会話を通して英語を学び始めることに。平日はスーツ勤務、休日は万年タンクトップ。

ツバサ(T170 W55 28yo)
新宿二丁目でゲイバーを営むやり手のママ。一見、物腰が柔らかそうな色白今風ノンケだがその実、常連には少々アタリがキツい。元々、大学では英語を専攻。外国人の来店者も見据えて更なる英語力向上を目指し、ジョーとともにニュー子から生きた英語を学ぶことに。

ニュートーキョーコ・トーキョー(通称:ニュー子)(T195 Wヒミツ♡)
学生時代、LGBTQ+への理解が進むカリフォルニア州に留学経験あり。帰国後にドラァグクイーンとして活動をスタート。性別や年齢、国籍などを問わず誰に対しても大らかで、来るもの拒まず、去るもの追わずなスタンス。年齢不詳で素顔も謎だが、普段は英語講師をしているというウワサも…。

イラスト/松本ゆうす
英文監修/Honoka Yamasaki
企画・制作/newTOKYO

私とアナタのための、エンパワ本 Vol.3 aniseアニース 2001夏号/日本Lばなし講演録/女を愛する女たちの物語

主にセクシュアリティ・ジェンダーの分野で執筆をしながら、ダンサーとしても活動するレズビアン当事者の山﨑穂花さん。「わたしとアナタのための、エンパワ本」では毎月、彼女の本棚の中から、自信や安心、ありのままの尊さを教えてくれた本(=エンパワ本)を、“気付きの一文”を添えて3冊紹介。 第3回は、「aniseアニース 2001夏号 特集:1971~2001」「日本Lばなし講演録 第1集」「女を愛する女たち… もっと読む »

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